イルカどん

8月4日

7時20分に目を覚ます。今日は8時30分にピックアップなので、 7時30分にごろに朝食をお願いしていたからだ。
いつもは朝食の準備ができると、内線で知らせてくれるのだが、今日は8時を過ぎても 連絡がない。仕方なく食堂の方に行ってみる。
やっぱり、準備が出来ていた。7時30分にお願いしますって言ったやん、連絡ぐらいしてくれよ などと思っている暇もなく席につき、急いで食べる。
7時20分ごろ、小笠原は物資が貴重なのだが、仕方なく多少残して席を立つ。

部屋に戻り、準備をして急いで下に降りて行く。
すぐにピックアップの車が来た。昨日は少し遅れて来たのに、今日は5分前に来た。 器材はまだ干したままだ、急いで器材をメッシュに放り込み、バケツにつけたままの カメラを取り出しそのまま、車に飛び乗った。

港に着くと、いつものように器材をセッティングして、船は出向する。 今日の1本目のポイントは「タコ岩」というポイント。

ここのポイントは、大物が期待できるらしい。
ブリーフィングの時に、ガイドの人が言っていた。 しかし、何とかも出た(こと)がある。
出るではなく、ことがある。と言っていたのが気になる。

・・・。ダイビングもそろそろ終わろうとしている。
エキジットの準備に入る。水深を浅めていくと遠くの方に魚の影が・・・。カマスサワラ。
後で聞いたのだが、あれが島寿司の原料らしい。

減圧停止中、下の方をどこかで見た影が・・・。
エイだ!! マンタ?

何日か前に見たウシバナトビエイに似ている気もするが、違う気もする。
半信半疑のまま船に戻り、詳しそうなお客さんに話し掛ける。
「僕は、小マンタだと思う、というか思いたい」
と言っていた。しかし、その話を聞いて、僕は多分ウシバナトビエイだろうと思った。
というか、あんな形でマンタにあいたくないので、僕のログブックにはそう書こうと思う。
今日は、かなりスケジュールが濃い。
昼食は浅場に移動して、体験ダイビングのお客さんが潜っている間に昼食をとる。
昨日は全然、食べれなかったので、今日はパンを半分頼んでいた。

スキンダイビング 昼食をすませると、体験ダイビングのお客さんが戻ってくる間、その場所でスキンダイビングで遊ぶ。
水深はダイブコンピュータによると5.4m。
魚もたくさんいて、船の上からパンやおにぎりの残りを投げると、たくさんの魚がよってくる。

コンパクト水中カメラをもって、しばしスキンダイビング。
僕は、気付かなかったが、水中で僕の体をホンソメワケベラがつついているのを SUNは見たらしい。ユウゼンなんかも見える。なんか感動。
(なぜ、ユウゼンの写真がないかはひみつです)


体験ダイビングの人が上がってくると、さっそく移動、どうも南島という所で少し遊ぶらしい。
ちょっと移動した所に南島はある。しかし、ボートが接岸できないので泳いで海岸まで渡る。
三点をつけて、濡れては困るものはウォータープルーフに入れ、頭の上に乗せて運ぶのである。

南島(海岸)

トンネルをくぐると小さな海岸が見えてくる。
浜に上がり人数を確認。丘を超えて行くと、サメがいるという入り江があるというので行ってみる。 途中は溶岩質の岩がむき出しになっていて、転んだらたいへんなことになる予感。

サメ池 丘を登りきると、目的の入り江が見えてくる。
さっそく、三点をつけて、さっきの溶岩質の岩が頭をよぎったが、思い切って飛び込んでみる。 けっこう浅い、足が着いた。そのまま泳ぎ出す。けっこう濁ってる印象。

皆は一生懸命追い掛けていたが、僕は単純にスキンダイビングを楽しんだ。
まず、スズメダイがでかい!、種類にもよるのだろうが、僕の知っているスズメダイの大きさは 大きくても十数センチ、20センチ以上はあるだろうか、そんなことを思いながら、 さらに沖の方にすすんでいく。

途中、イスズミだろうか、ぼくに何処までも着いてくるのに気付く。
指をだすと、目がそこに集中して、突こうとするのがわかる。 寸前で指を引っ込めたりして、遊んでいた。

せっかく、サメがいると言われて泳いでいるのだから、最後に一目サメを見て行こうと サメを追い掛けている団体を探す。かなり遠くの方らしい。

イスズミちゃんも途中まで追い掛けてきたが、途中で諦めたらしい。
皆が、集まっているところまで、たどり着く、底の方を覗いてみると 濁っていて、ハッキリは見えないが、確かにサメがいる。
僕は2匹確認したが、実際は3匹いたらしい。

時間的にもそろそろいい感じなので、引き返す。
水からあがり、また、丘を越えて元の海岸にもどる。
船のお迎えの予定の時間もそろそろなので、人数を確認して また、頭に荷物を乗せて泳ぎ出す。船はまた出発する。

しばらく行くと、またイルカちゃん、今日はなんだかイルカづいてる。 いつものように船を回すが、次のポイントのこともあるので そうそうに切り上げて、船を移動する。

本日2本目は「マンゾウ穴」というポイント

次のポイントはクレパスらしい、人数制限で順番に洞窟の中に入って行く。
中は真っ暗だ、ライトに電源を入れる。

岩野隙間には、カノコイセエビが見える。岩がむき出しになっていてカメラをぶつけないか心配だ。 岩をすりぬけ、洞窟を抜ける。

そこに広がっていたのは、何処までも続く白い砂地、波で砂に模様が出来ている。
ところどころに岩が突き出てまるで日本庭園を思わす。

途中岩の影に、尾のないエイを発見、 尾がないので本当にまん丸だった。でもちょっと可哀相・・・。
地形もたまにはいいと思う、でもどこか期待してしまう、自分が哀しい・・・。

船に上がり僕はこの時、右舷の方にいて、ゆっくりと器材を片付けていた。その時である。

マンタだ!!

左舷の方から叫び声が聞こえた。
慌てて、見に行くがすでにおそし、どんな状況で見えたのかさえわからないし どれだけの人が見たのかさえわからない。

そうこうしていると、遠くの方にイルカが見える。 イルカの近くのボートの人たちが一斉に飛び込んだ!バンドウイルカだ!

うちらのボートも近くの方へ、僕はまだウエットスーツから腕を抜いただけだったので 慌てて腕を通した。脱ぐよりも早いと思ったからだ。3点を付け、船の人の合図を待つ・・・。

まだしばらくかかりそうと思った瞬間、僕らは一斉にウエットを脱ぎ出す。
もちろん、脱いだ方が水中での機動力がいいからだ。 ウエットは、たたむ暇もなくそのへんに丸めておく。

スタッフの合図とともに、一斉に海に飛び込む、いくらイルカが遊び好きだといっても こんなに大勢飛び込んだら(そうそう、驚かさない様にそうっとはいってねとスタッフのお言葉)
イルカも逃げるって、と思いつつ僕はイルカと泳ぐなんて初めてなのでやっぱり飛び込む(そうっとね)

イルカは、僕が確認したのは2匹、早い人はすでに水中へ、僕もまけずに息をとめて水中へ イ、イルカだ!!!!

ちょっと、感動である。つかさず持ってきた防水コンパクトカメラで・・・。ん?
シャッターが切れない、しまった電源が・・・。(まだ水中です) あわてて、電源を入れるが、今度は僕の息が持たなかった。

水面に戻った僕はもう一度と、イルカの方を見ると、イルカはすでに深い方へそのままボートの下を くぐって行ってしまった。チクショウ!!

ショックである。一度しかなかったシャッターチャンスしかもあんなにイルカに近付けたのに、 ボートの方を見ると、スタッフの人が手招きをしている。仕方なく、ボートに戻る。

そのことを話した僕は、大目玉を食らったのは言うまでもない。
どうして、僕はいざっておきに弱いんだろう・・・。
諦めて3点を外す。船は港に向かって走り出す。

港に帰る途中、砂浜で女の子達が遊んでいた。僕らの船を見て手を振る。
僕らも手を振る。しかし、よく見ると手を振っている手が、しだいに手招きをしている様に見える。
さらによく見る。やっぱり手招きをしている様に見える。

お客の誰かが船長に知らせる。知らせを聞いたスタッフ達も船の前の方に集まる。
船長は船を近付けるが、浅いので船を浜に付けることが出来ない。
今まで船の後ろの方に座っていただけの船長の父が立ち上がった。
左に岩がある、右側が浅くなってるなど指示を出す。何も言わなかったが、息子は全て分かってるようた。

船をぎりぎりまで近付け聞いてみる。
隣の浜から泳いできたのだが、流れが早くて帰れなくなってしまったらしい。
見ると、今いる浜は崖に囲まれていて、船でもこない限り、泳いで帰るしかなさそうだ。
スタッフの話しによるとこの辺はホントに流れが速いらしい。

この船では、これ以上近付けないの、船をぎりぎりまで寄せたままキープし、 女の子達にはここまで泳いで来てもらうしかない。
僕は、何が出来るわけではないのだが、船の中を言ったり来たり、SUNにつっこまれてしまう。
女の子達が一斉に海に入っていく。船のはしごを降ろす。

泳いでいる彼女達にかたまってかたまってと指示を出す。船が近付けないからだ。
しばらくして、女の子達は次々に、はしごを登り船にあがってきた。
見ると、皆まだ十台だろうか、三角ビキニに、その辺で売っていそうな水中マスクで現れた。

詳しく事情を聞いてみる。ジョンビーチという浜から来たらしい、崖を挟んで向こう側の浜だ。
帰りは崖を登って帰ろうと思ったが、無理なので、泳いで帰ろうとしたが、 流れが速くて帰れなくなってしまったらしい。

船はその、ジョンビーチへむかう、浜が見えてくる岩のところに、彼女達の荷物だろう
黄色や青の袋らしきものがみえる。ここも周りを崖で囲まれている。

やはり、船は浜に付けることが出来ないので、ぎりぎりまでよせて、また泳いで帰ってもらう。
この浜までは、迎えが来ることになっているらしい。
彼女達を見送るとそのまま船はまた、港に向かって走り出す。

スタッフの人が明日の予定を聞かれる。予定では明日は一日ゆっくり島を回ろうと思っていたが、 次にいつ来れるかわからない小笠原。
どうしようか迷っていると、迷った時は潜るに限る?スタッフのすすめで、明日も潜ることになった。
イルカの群れ 遠くの方に港が見えた頃だろうか、またまたイルカ君の登場、今度はハシナガ君だ
またまた、船を回して、イルカを誘う。
今日は、大物は出なかったが、イルカはたくさん出た。ついているのかいないのか・・・。

港に付いて、そのまま、宿まで送ってもらう。
今日は小笠原最後の夜。パパスのスタッフとお客さんで打ち上げあるという。
今日は、外で食事をしようと、宿の夕飯は頼んでいなかったので、いつものように お風呂で、汗と潮を流したあと、さっそく街へくり出す。

その前に、美津ストアーで買い出し。
買い出しと言っても、ジュースを買うぐらい。
それと、島寿司のお弁当を予約しておく。
買い込んだ、ジュースやらを部屋に置き。 港で見つけたパンフレットを片手に、お土産やさんなんかを素見して行く。
いろんなお店を見て回り、何件目だったろうか、お店の中をひと回りして、店を出た時、 店の前の段にに腰掛けて男の子と話している女の子をがいた。
リゾート?によくある風景と、べつに気にせず、通り過ぎようとしたが、ふと耳に入ってきた言葉が、 「昼間さ〜、助けてもらっちゃって〜」

(!)

お前らか〜!、SUNがいきなり指を指す。
「その時は、どおも」彼女もかなりビックリしたような顔をしていた。
まさか、こんなところで会うとは思わず、僕の方もびっくりした。

途中、飲み屋の脇にプリクラを発見、よく見ると小笠原バージョンと書いてあったので試してみる。
お金を入れようとしていると、店のオジサンが出て来て、なにやらいろいろと説明が始まる。
かまいたがりなおじさんだ。

一応、話を聞くと、機械の照明が壊れてしまい、自作の照明を付けたらしい。
もっと下がった方がいいとか、そこじゃ入りきらないんじゃないの?
と、かまいたがる中、何とか撮影終了、出来上がりは秘密。

そろそろ、夕食を食べるお店を決める。
最初に目を付けたのが、「お食事処 悠悠」というお店、 もと漁師だったお母さんが作る島の野菜、魚を使った、おそうざい料理が中心のお店らしい。
場所を確認すると、かなり街外れだ、僕らが泊まっている宿の反対側の町外れである。

茶里亭

遠いからといってあきらめずに、テクテクと歩いて行く。
地図で確認してその角を曲がったところにあるはず・・・。
あれ?店の前に車が止まっている。多分あそこだと思うのだが、 何か暗い感じ、不安に思いながら、店の方に近付いて行く。

初めは遠くて分からなかったが、暗いのではなくシャッターが降りていた。
確かに、ここだ。今日はお休みのようだ。(閉店時間を過ぎていたかも)



あきらめて次にどおするか考える。他に興味を持ったお店は・・・。
やっぱり、茶里亭?勘佐という寿司屋もあるが、ちょっと高そうだし。 結局、茶里亭に決定。

勘佐

場所を確認して歩き出す。さっき見た「勘佐」の奥らしい。
店に入る。店の一番奥にご主人らしい人が座っている。 その前に、火が炊いてあり、そこで焼物とかを焼くのだろう。
その奥にも厨房があるのだろう、のれんの隙間から何やら、顔をのぞかしている。 その回りに、新鮮な?食材が並び、その回りがカウンター席になっている。
さらにその外側は座敷になっている。お客さんは結構入っているようだ。

ビールを頼み、聞きなれない料理を頼む。
これまた聞きなれない名前の魚がカウンターの前に並んでいた。 それを、塩焼きにしてもらい。ビールで乾杯。

注文一通り終わり、落ち着いて回りを見回すと、あれ?どこかで見た面子 そうだ、パパスの船の上で見た人たちだ、こっちはこっちで打ち上げをしているようだ。
そうこうしていると、見たことのある御婦人が僕の隣に座った。
挨拶をしたが、憶えていないらしい。実は最初の船の上で、契約書の書き方を教えてあげたのだ、 そのことを説明すると、思い出してくれたらしく、少し顔がゆるんだ感じがした。
話しを聞くと、ここ小笠原には毎年のように来ているらしい。 僕もそんな生活がしてみたいと思う。

しかし、こうパパスのメンバーが多いと、ちょっと恥ずかしくなる。
早々に切り上げ、待ち合わせをしている「チャーリー・ブラウン」というお店の方に向かう。
場所はここから大通りの方にでてすぐらしい。大通りにでたら、すぐに見つかった。
店に入ると、既に始まっている。遅れて来たのだから当たり前だが・・・。 店の外(オープンテラス?)でかなり盛り上がっていたが、スタッフの人を見つけ、 ちょっと静かな店の中に入った。

席につき、飲み物を注文する。
回りを見回すと、右の方にカウンター式のような厨房があり、あとは真ん中に大きなテーブルがあるだけ 外には長テーブルと長イスといった感じ。
店の奥でビデオの上映をしていた。お〜!!
カルチャーショック!!、そこに写っていたのは、話しには聞いていた、壁のような魚の群れ 既に画面には入りきっていない。

スタッフの人に話を聞く、ああいった群れが見られるのは、やはりG.W.あたりだそうだ。
あんな群れを見たいものだ。
スタッフの話しによると、ここ最近の海の様子も変で、海の中は既に秋のような雰囲気だそうだ。

そんな話を しているとそこに、船の上で仲良くなった、男のお客さんが現れた。
お互いログブックを持っていたので、サインを交換し、 彼もE−mailのアドレスを持っていたので教えあった。

打ち上げがお開きになり僕らは店を後にする。
明日は小笠原丸が出航する日、夜は今晩が最後、何かやり残したことがある。そう、亀である。

まんがん亭

さっそくパンフレットで調べて、亀料理が食べられるお店へ、その名は 「まんがん亭」ちょっと奥まったところにある。

パンフレットに載ってなかったら、パッと見、漁師さんの家ではないかという感じだ。
店に入ると、お店だというのがわかる(ちょっと言い過ぎ?) 席につくとやっぱりビール。

それと、亀の料理を注文する。
メニューにあるのは2種類、刺身と煮付けである。
店員さんに、どっちがどうなのか聞いてみると、煮付けの方が臭くないかもと言うので 冒険はやめて刺身を頼む。

亀の肉は臭みがあって、ちょっと癖があり、好きな人はめちゃめちゃ好きで嫌いな人は嫌いと、 はっきり別れるたべものらしい。

しばらくして、お待ちかねの亀さん登場、ここでは本当にビールと亀しか頼んでいない。
ワサビではなく、生姜で食べるようだ、さっそく、醤油で生姜をといて、 亀刺しをそいつに浸けて、口に運ぶ・・・。

感触は鶏のささ身のような感じで、思ったほど臭くない、 魚の肉にくらべれば獣っぽい、しかし、鳥刺しよりは魚っぽい感じだ。 魚と鶏の間の子と言った感じか。
これなら、食べられるではないか、でもチョットお高い、毎日食べるわけにはいきそうにない。

今思うと、ちょっと凍ってたから臭みが少なく、食べやすかったのかなとも思う。
会計を済ませ、店をでる。本当に今日はたくさん遊んだし、たくさん食べた(量ではなく種類) 後は帰って、寝るのみと宿に向かって歩き出す。

途中、先ほどやったプリクラの機械の前を通る。せっかくだからと又やってしまう。
記念なのでよしとしよう。

宿につく、明日は小笠原丸の出航日だというのに、部屋は散らかったまま、しかし、 そんなことを気にする余裕もなく疲れ果ててベッドに倒れこんだ。


8月3日 <8月4日> 8月5日

ページトップ  もどる  ホーム