風とぬるま湯と

5月3日

二日目朝食 朝、目が覚めた、やっぱり私が一番最後だった。

テントから出ると、ほとんど朝食の準備は終わっていた。
雨は降っていないようだ。

私は顔を洗って、朝食をごちそうになった(朝はいつも最後の様な気がする) メニューは野菜か何かを炒めた物や、スクランブルエッグなんかをパンに挟んで 食べた。

朝食が終わると、いつものように後片付け、準備には間に合わなかったので、 後片付けぐらいは手伝った。

今日の予定を決める。 雨が降っているのでしぶっていたが、結局当初からのからの予定だった、 温泉に行くことになった。場所は港をこえもっと先にいある。

まずは自転車でふつうに海岸線を走って行くのだが、 風が強くてなかなか進まないので、 ひとつ内側の道にそれる。ついでにビールの買い出しをして行く。

そのまま港を抜けて左に折れると、少し坂道になっていた。
その道に入ったとたん、僕達を襲ったのは、 物凄い風とその風にのって飛んでくる砂だった。 その砂は、この強い風に飛ばされて、僕達の体を攻撃する。
これが結構痛いのである。風のせいもあるが、痛くてなかなか先に進むことが出 来ない。

やっとのことで目的の温泉に着いた。
サーフィンをする人には有名かも知れないが、水着で入る混浴?の温泉である。 さっそく、自転車を止めて中に入る。
ここは無料で、まず、男女別の更衣室(当たり前か)があり、水着に着替える。

先に出てきた男性陣、出口から一番近いお湯に足を入れていみた。

”ヒィ!!”

つっ、冷たい、次のお湯に足を入れてみる。やっぱり冷たい、 更に次のお湯に足を入れてみる。 う〜ん、入れないことはないが冷たいな?、どうりで誰も入っていないはずだ。

結局、みんなが、入っている一番奥の湯舟につかる。 お〜、ここならあったかい。

しばらくして、女性陣があらわれる。
つかさず、そっちのお湯は熱いよ、と言うと、うそ?と言いながら足を入れてみる。
すると、”あち!”と言ってあわてて、足をあげてた。 男性陣は大笑い。ほんとは冷たいのに”あちっ”だって。
寒かったし、一瞬のことで分からなかったらしい。

しばらく湯船につかって雑談を交わしてたが、階段の上のお風呂も気になるので 行ってみようということになった。
実はこの上に、神殿のような造りをした露天風呂がある。

メンバーらは階段をあがっていった。湯舟から出ると風が当り非常に寒い。 やっとのことで、たどり着いた。
思ったよりも狭いではないか、せっかく寒い思いしてあがってきたのに、 仕方ないのでお湯につかる、あんまり温かくない、しかも広くない。
まん中にテーブルみたいな石の板があって、さらに狭さがましている。

しかも、暴風のためお湯が雫となって飛んできて、それが肌にあたると痛い。
そんなことにはめげずに、ここで、ビールを飲もうということになった。

さっそく、今回の幹事が気合いで下までおりてビールを取りに行く。
しばらくして、クーラーごと担いでもってきた。 皆にビールが配られる。統べて違う銘柄だ。

周りに数人の別のお客さんがいたが、気にせず、”カンパ〜イ”

しばらく、ビールをのみつつ、お湯につかっていたが、あまり温かくないのと、 下よりも数段風が強いので、ここに長時間いるのは耐えられたものではない。

しかし、湯から上がると風のせいで物凄く寒い、でも、いつまでもここにいるわけにもいかないので 意を決して、お湯から上がって下におりて行った。もちろん1人はクーラーを担いてである。

滑らないように注意しながら、急いで、下の一番温かかった御風呂につかる。
ん〜、温か〜い。
カラダが温まり落ち着いてくると、今度はトンデモの好奇心が始まった。 向こうの、冷たいお風呂に挑戦!

しかし、これに参加したのは私とちよさんだけだったが、手前の生温いお風呂にはみな挑戦していた。 その先に、一段さがった所にも御風呂があり、そこに、さっきまで、外国人らしいカップルが、 いちゃついていたらしい、そっちの御風呂にも行ってみる。
もう、そのカップルはいなくなってしまったようだが、つかってみると、更にぬるい。

お湯から上がると寒いので、温いお湯でもつかっていたほうがましで、そのお湯に浸かりながら もとのお風呂に戻った。

もとのお風呂に戻ると、さっそくクーラーの中から日本酒を出す、実は出発の前にちいさな ペットボトルに移して来ていたのである。

しかし、6人で回しのみしていたら、あっという間になくなってしまった。 残りわずかな時に、もう一本のペットボトルに温泉を入れて摺り替えたら、 佐々木さんひっかかっていた。

やはり、6人もいると、ペットボトル2本、2ほんとも半分ぐらいずつしか入っていなかったが、 あっという間になくなってしまった。ここで加速のついてしまった私達は、さっき買い出しの時に 買った「シンルウチュ」をあけようと言うことになった。が、こっぷに氷と、ソーダで割ってつくって は回して、作っては回してしていたら、これもあっという間に1瓶開いてしまった。

ここで酒は諦める。雨もポツリポツリ降ってきていた。
この雨が、やんだらあがろうとうことになった。

実は、もう少し先に、有料だが、もう1つ温泉がある。
そこにも行ってみようということになっていた。いわゆる温泉巡り?というやつか・・・。

しかし、この雨がなかなかやまない、しかも大降りになってきた。
あわててクーラーや着替えの入った袋を、屋根のある更衣室の入り口の方へ移動する。

しばらくして、やっとのことで小降りになったので、今がチャンスと御風呂をあがる。
しかしここで問題発生!どうも、SUNちゃんが今回新調した、魔法のタオルが風で飛ばされて しまったらしい、さっそく捜索活動が開始されたが結局見つからなかった。 風にのって遠くに飛ばされてしまったのだろう。
しかも、捜索中にザラザラした石を践んでしまい、私は足の裏にケガをしてしまった。
去年のケガ人事件が頭を過る。

みるみる血が滲み出してくる。でも、ここではどうにもならないので、 皆もそうだが、水着のまま次の温泉場へ向った。 私は左足ではほとんど踏ん張ることができないので、右足だけで自転車を漕ぐ形になる。
しかも坂道、どんどん皆から離されて行く、前の人がどこでまがっただけ確認しながら、 後かゆっくりとついて行き、なんとか次の場所に着くことが出来た。

メンバーの1人が、受付の人から絆創膏をもらってくれた。
お金を払って温泉に入る、仕方なく私も入る。 しかし、私はカラダだけ洗って足の裏を水で流しただけで上がってしまった。
待ち合い休憩場で1人腰をおろし、先程もらってもらった絆創膏で傷を保護した。

しばらくして。男性陣がお風呂からあがってきた。
すぐに女性陣も上がってきた、そこでもビールを飲むメンバー、 ビールは外の自転車に括りつけてあるクーラーのなか、取りに行く人をじゃんけんできめる。
負けたのはやっぱり幹事さんだった。幹事は働く運命なのか・・・。

ケガをしているというのに私も飲んでしまう、今日も1日飲んでいるので、 ここで飲まなくてもたいして変わらないのである。

ビールが飲み終わると、今度はキャンプ場まで帰らなくてはならない。 雨も、さっき程大降りではないが降り続いている、そのまま温泉を後にする。 神殿のある温泉を抜け、坂道を軽快に下って行った。
途中対抗できた車にぶつかりそうになってしまった。 雨の日はブレーキの効きが悪くなるので気をつけよう(なんて)

そのまま港を抜けキャンプ場に向うのだが、途中スーパーによって、買い出しをして行くことになった。
晩飯の相談をしながらいろいろ買って行く。今晩は焼き魚にとり肉に決定。

買い物をすませお店を出るが、まだ雨は降っている。 しかたがないので雨の中を出発する。
なんか、せっかくの温泉がもったいない気がする。っま、身体が洗えたのでよしとするか。

キャンプ場に着いても、雨は降ったり止んだり・・・。
そういえば、朝飯の後はビールしか飲んでいない気がする。

昼間、怪我したところに、今メンバーの中で流行っている水絆創膏をぬってもらう。
それは、セメダインのようになっていて、傷口に直接ぬると、傷口を泥水などから防いでくれ、 傷がなおると自然にはがれてくる。水気の多いアウトドアに最近必需品となっている。
が、しかし、ひとつ問題があってとてつもなくしみるのである。水絆創膏が乾く までは死ぬ思いをする。

・・・・。

”うぎゃ?!!”テントの中から私達テントサイト周辺へ響き渡った。
しばらくの間、テントの中からうめき声が聞こえてくる。って自分のことだが・・・。
しばらく、テントの中でのたうちまわっていた。

夕食の準備1 足の痛みもおさまってきたので、テントの外に出てみると、すでに夕食の準備が始まっていた。
私も左足を引きずりながら食事の準備に参加する。

メニューは先ほど買い出ししたムツ&タカベという魚と鶏肉。
魚はそのまま丸焼きにされた。



とり肉は調味料やニンニクなんかをまぶして焼き上げる。量が多いので何回かにわけて焼くのだが、 そのたびに、微妙に調味料の種類を変えて焼いてみる。

オリーブ&しお&胡椒、にんにく、チーズなどがあったがどれも旨い。 中でも、にんにくバージョンは美味しかった。

夕食の準備2 私達はそれが焼き上がると、横からどんどん食していく。 これが、今回のキャンプであり、キャンプの本質のような気がする。
たしかに、道具にあふれたオートキャンプもいいが、こうしたなにもないキャンプもいい、 もちろん、沢山の道具を持ち込んだキャンプもする。
それはそれで楽しいからである。たんに酒が飲めればいいという噂も・・・。



実際はもっと装備を減らすことで来たような気がする、まだまだ修行が足らないかな?

夕食は他にみな個人的にも料理を作っていた。 それらをつまみながら、いつの間にか料理も少なくなり、夕食の時間も終わっていた。
食事が終わったらいつものようにおかだつけ・・・。

二日目団欒 さっそく焚き火をおこして、団欒の時間が始まる。
これだけ雨が降ると、木がしけってなかなか火が付かない、 昨日の晩使って埋めておいた、薪の残りを掘り起こした。

こっちの方が多少乾いている様子、こいつに先に火をつけて、それから周りに火を付けて行く作戦 結局、その効果があったのかわからないまま火は付いた、なんだかんだやっているうちに、 木が乾いて、火が付いたのかもしれない。

しばらく皆で団欒をしている。次々にアルコールがなくなっていく。

ちよさんが恐い話を始めるというと皆が怖がって、もう寝よ、ということになる。
佐々木さんは、その前によっぱらって、ひとりでテントにもぐりこんでいた。
僕も酒も回ってお眠なので寝ることにした。

テントに潜り込んでしばらくして、みきちゃんが覗き込んだ。
佐々木さんは、ホントに酔っぱらっていたのか、シュラフの中には入らず、上にかけて寝ていた。 心配して、シュラフに入りなよとシュラフに触れたとたん悲鳴が上がった。 横で寝ていた僕もびっくりして起き上がる。

彼女は何かを見たという、もう一度、シュラフの方に目をやると、 そこにいたのはなんとムカデしかもかなりでかい。 僕は慌てて近くにあったクッション?を使って、シュラフからそれに移らせて、 そのままテントの外に放り投げた。

あたふたしていると、佐々木さんも目をさました。
テントの外に出て、今、放り投げたムカデを探したが、見つからなかったのである。
あわてて、周りをくまなく探したが、結局見つからなかった。

かなり、風が強かったので、放り投げた瞬間に飛ばされてしまったのだろうか?
もしそうだとしても、実際にムカデが見えないと不安である。

仕方がないので、最低限、テントの中にはいないことを確認するため、 テントのかなの大捜索が始まった。
ムカデはかなり大きなものだったから、いたらすぐに分かるだろう。

まず男性陣用のテント、ランタンを持ち込んで、マットをひっくり返し徹底的に行った。
調査が終わり次第、次は女性陣用のテント。

調査が終わると、入り口を閉め、この後入ることがないようにする。
100%安心は出来ないが、とりあえずここで寝るしかない。

よくドキュメントとかで見る、サソリのいるところで寝たりするシーンがあるが、 あの恐怖が少し分かった気がする。

その場になるとけっこう寝れたりするものである。 ふと気付くとちよさんがテントに入って来た。
恐い話は終わったのだろうか、あとはほとんど覚えていない。 そのまま寝てしまったのだろう。

明日は最終日・・・、ムカデはいったいどこへ・・・。

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