一昨日沖縄から帰ってきたばかりだというのに、今は小笠原、父島行きの船に乗っている。
AM8時〜8時30分に竹芝で待ち合わせをして、前の晩師匠との電話を切った。
僕は今回チケットを持っているのでなるべく早く行った方がいいのだが、
8時30分ぎりぎりになってしまい、またSUNをおこらせてしまった。
チケットを乗船券にかえる。番号は180番台
みな1〜100番の所にならんでいた。めんぼくない、めんぼくない・・・。
さっそく買い出し、僕が荷物番をして、他の人は近くのコンビニ等に買い出しに向かった。
9時15分乗船開始、番号の少ない順に乗り込んでいく、この小笠原行きの小笠原丸は乗る時に
整理番号を貰う。それが今回25.5時間おせわになる自分の場所である。
三宅島や八丈島に行く時の船のように、必死に場所取りをしなくてもいいのである。
たしかに船内で1泊するとなると、厳しいということだろうか・・・。
しかし、この自分の空間がとても狭い、前回にも書いたと思うが、
180cmの僕が足を延ばして寝ることはまず不可能である。
団体で行っているのであれば、かたまった場所が取れるので足を交差させて寝ることも可能だが、
となりが知らない人だとそういうわけにもいかない。
することが無いのでとりあえず横になる。いつの間にか寝てしまった。やばい、去年と一緒だ。
なんどか、アナウンスで目を覚ます。三宅島や八丈島などが見えるとそのたびにアナウンスが入る。
皆、暇を持て余しているということを、船の人も分かっているのか。
今まで、ごろごろしていたお客さんもその時になると、起き上がって甲板に向かって行く。
僕も、カメラをもって甲板に向かう。八丈島だ、夕日と重なってとても綺麗だった。
夕日が沈んでしまうと、また元の場所にもどっていく。
皆、船の上でどれだけ暇なのかが容易に想像が付く。
ぼくも、元の場所に戻って、また横になった。
現在20:25分、父島までは615km、まだまだ長い船旅だ。また一眠りすとしよう。
何度か、起きたり寝たりをくり返す。
そのうち、師匠が御飯食べよと催促がかかる。
僕なんかは寝てばかりでほとんど食事をしていないことに気付く。
とりあえず、食事を取ることにしよう。
といっても、カップラーメンなどだが・・・。
腹が膨れるとやっぱり横になる。また寝てしまうようだ。
去年さんざん文句を言ったのだが、今年は僕がネムネム病のようだ、
一昨日まで沖縄に行っていたので無理もない気がするが。
東京に戻ってきた、ますます悪化した風邪は一向になおる気配が無い。
予定通り定刻より50分早い10時40分に父島、二見港に着いた。
下船して、今回お世話になる民宿「大洋荘」の迎えを探す。
見つけると、白髪のおじいちゃんとおばあちゃんが迎えに来ていた。
車で民宿まで送ってもらい、早速ダイビングの準備開始。
12時30分にピックアップなので、それまでに器材の準備をする、僕はカメラの準備もある。
時間になりピックアップの車が迎えに来て港まで送ってもらう。船はあまり大きくないがトイレも完備されている。
1本目、ひょうたん島、水温21度
この時期の小笠原はまだまだ寒い。特に水中はとても寒く、僕は5mmの2ピースを持ってきた。
同じ時期(一昨日帰ってきた)の沖縄とは緯度的にはあまり変わらないのだが、ぜんぜんちがう。
小笠原は亜熱帯といっても、この時期、特に水中は常夏の格好で行かない方がいいだろう。
1本目のダイビングが終わり、2本目のポイントに向かう途中、 小笠原ダイビング初日だというのに、いきなりイルカの大群が僕達を歓迎してくれた。
さっそく船をイルカの方にまわすと、イルカの方が船のほさきに付き、遊んでくれる。
しばらくすると船を離れてしまうが、また船をまわすとあそんでくれる。
そんなことをくり返していると、ふと頭領が叫ぶ、カメもいるぞ!
横を見ると、2匹のカメが重なりあって水面に浮んでいるではないか。
今度は向こうからイルカの群れが・・・。カメを横目に、イルカの方に船をつけると、また
いつものように船の先に付いて遊んでくれる。
2本目 十文字 水温20度
さっそく、クマノミちゃんのおでまし、小笠原のクマノミは種類的にはただのクマノミだが
他の地方のクマノミにくらべて、黒い!
理由は定かではないが(知らないだけ?)一目で小笠原バージョンだということが分かる。
頭領が岩の影を指して、なにやらボードに書き込んでいる。
見るとそこには、イソギンチャクの様な物体が、
たくさんある触手のような物を交互に丸めては伸ばししている。
ボードを見ると、そこにはとても珍しいゴカイと書いてあった。
ゴカイ?ということは、あの丸めたり伸ばしたりの作業は、プランクトンでも取っているのだろうか?
なんとも不思議な生き物である。
主な居た生物:ウミシダカクレエビ、セミエビ、とても珍しいゴカイ?、クマノミ(小笠原バージョン)
2本目が終わり港に戻ってくる。車がないので歩いて帰って下さいと言われてしまう。ん?、イケズ たしかに、歩いて帰ってもすぐそこという距離なのだが、民宿が町中にあるので、ウエットスーツ姿で 町の中をすこし歩かなくてはならないのはちょっと・・・。
民宿に帰って風呂にはいる。2つしかないので、すきを見て入ることになる。
皆、お風呂が終わると夕飯の話になる。
やはり去年目を付けたが、休みで食べる事のできなかった「悠悠」へ行ってみたいと提案する。
しかし、せっかくここまで来たのだから、寿司をたべるという考えもある。
そこで、最初「悠悠」に行って、閉まっていたら寿司を食べに行こうということになった。
僕は、カメラを取りに部屋に戻っていたため、すこし遅れて行った。
角を曲がりお店が見えてくる、おっ!、どうやら営業しているようだ、皆の影が見えないということは
すでに中に入っているのだろう。
店の中に入るとカウンターに座って店のママと話をしている。でも、いまいち様子がおかしい。
これから出てくる料理に夢を膨らませるというよりかは、店のママが申し訳なさそうな感じで会話をしている。
話を聞いて見ると、今日はお魚がないらしい、少し前まで、風の影響で漁ができず、
しかもこの時期は、ダイビングボートとして、漁師のボートが
チャーターされてしまうため、漁がおこなわれず、魚のストックがないらしい。
もっと大きなお店ならストックがあると思います。とのこと、こんなところに、G.W.の影響が
出てるとは、ダイバーの私としては複雑な気分である。
仕方がないので、そのまま「かんざ」という寿司屋にむかう。
SUNは5年前に来た時に、入ったらしいが、僕が去年来た時は入らなかった。
やはり寿司屋は入るのに勇気がいる。
店に入りビールを頼み上にぎりを注文する。それに、せっかくだからと亀刺しも注する。
5年前には亀の煮込みもあったらしいが、けっこう臭みがあり好き嫌いがある
料理なので不評だったのか、今はない。
寿司をたらふく食べ民宿に帰ることに、途中自動販売機でワインを買って晩酌にする。
皆でログ付けをして、僕は酔いのせいかとっとと寝てしまった。