(2) さらに西へ・・・
12月27日(土)
ネパールへ入国せねば
朝5時に目が醒める。東京では7時なのでまぁしようがないところではある。
バンコクは東京より2H遅れである。カトマンズはバンコクよりさらに1時間
15分遅れる。
ネパール王国は文化的、言語体系からも非常にインド、さらにはヒンドゥーの影響を受けている。
カトマンズこそ仏教寺院も多いが、しかし圧倒的にヒンドゥー国家なのである。
インドとの結びつきが大変強く西部の街ではほとんどインドと区別がつかない。
ネパール国王であるマヘンドラさんにはそれが気にいらんらしい。
インドのくびきを取り去さるべくバングラディシュのー1Hでもなく
インドのー1.5Hでもなくその中間のマイナス1時間と15分をもって時差としているのだ。(対タイ)
たいへん煩わしく15分位どっちでもいいやんと思うのだがそんなことくらい
しか違いを見いだせないネパール自身いちばんもどかしく思っているようだ。
もっとも食い物はインドより圧倒的にウマく、圧倒的に衛生的・・・だと思う。
バンコク発カトマンズ行きのエアバスA300は10:30AM発予定である
が何時になっても出る気配がない。
よく機内を見ると進行方向右の席が8列ポッカリ空いている。
どうやらそれらの席の乗客を待っているらしい。
ほとんど12時近くになって汗だくの欧米人がドカドカ乗り込んできた。
どうやらバンコク市内に泊まっていたのだが空港までの渋滞にはまってしまったようだ。
最近バンコクでは高速道路も通うようになって以前ほどの殺人的状況(も
ちろん渋滞の)は脱したとは聞いていたのだがなかなかどうして未だ侮れない
様子である。
ところでこのカトマンズ行きの右側の席はヒマーラヤが見えるナイスなポジシ
ョンなので誰もが欲しがるのだがその席を持つ連中が遅れてきたことで機内は
殺伐とした空気が漂うなか一路カトマンズへと飛び立ったのだった。
さて、今回たかじろうはネパールへ何ををしに行こうとしているのかっ?
まずひとつ目、たかじろうにとって2人目フォスターチャイルドであるギタ
ちゃん(3歳)に会いに行くこと。
ひとり目はアグネスちゃん、しかしアフリカ南部ジンバブエにはついにいちども訪ねることが出来なかった。
だから今回は“行く気になればいけるとこ“というのを第1条件にネパールの子を希望したのだ。
だから是非とも逢いに行きたい。11月半ばに訪問予定を現地に通知したけれ
ど返事がこない。結局受け入れOKの返事が東京事務所経由で届いたのは出発
1週間前であった。
ふたつ目、やま行くぞ! 昨年10月から3ヶ月間奥多摩でみっちり(とは
いえないが)鍛えた成果をだすのだ。カトマンズから西へバスで8時間、ポカ
ラ北部に広がるアンナプルナ山塊を目指し最深部のアンナプルナB.C.へ到
達(可能ならば)するのだ。
さて14時にカトマンズに到着したたかじろうはネパールのビザを持たない
ため、イミグレーションでビザ申請の列へ並ぶ。
けっこう列が長くなったところで入管のオヤジ、いい加減いやになったのか突然ビザ申請書を集めただけで
メクラでビザ・シール(スタンプじゃないのだ)を張りだした。
パスポートを返しながら“さあ、行け、行け”と合図する。
“あのぅその申請書に写真貼ってないんですけどぉ“というと、”いいから、行けっ!“ なあんだ、めんど
くさいだけなのね。ようはビザ申請料さえ徴収できりゃいいわけね。
さて、カトマンズ入りが12月27日(土)、カトマンズを発たねばならな
いのが翌1月5日(月)だから中9日しかない。
そのあいだにカトマンズからネパールガンジへ寄りそこからポカラへ入山。
山中をさんざん彷徨いたのちにポカラからカトマンズへ戻るというたいへんハード
(その時点ではそんなにたいへんだとは思ってもみなかった)なものであった。
取り敢えず今日はカトマンズで宿をとろう。それはよしとして、さて、どう
やってネパールガンジへ行こうか。
手段は2つ、飛行機で行くかバスで行くか。
まずは飛行機、カトマンズよりほぼ1時間で99USD。片やビンボーバック
パッカーズ御用達であるバス、わずか5USD。
いくら時間的に余裕がない旅(いつもだが)とはいえこの金額差は大きい。
400USDしか持たないたかじろうにもはや選択の余地などある訳もなくバスの切符を買いに走ったのだっ
た。
(実際に走ったのはリクショー。ベトナムで言うところのシクロのこと。)
ここで一応参考の為に言っておくと、国内線もあながち捨てたもんじゃないと
思う。西へ飛ぶなら右側、東へ飛ぶなら左側の窓際がとれればヒマーラヤの山々
を拝みつつ目的地へ着くという特典がつく。
だだ山側窓際をリザーブするのはまたまた困難である。
バスはバスでまたまた困った問題がある。
通常ガイドブックで紹介されているのはいわゆるツーリストバスというやつで、
車体も比較的新しく(運がよけりゃ日本車にあたることも)ゆったりシートで日中走るため景色も楽しめる。
しかしそんなバスはカトマンズを中心に観光客の訪れる街へしか運行されない。
よくよく考えるとネパールガンジを訪れる観光客など皆無に等しいのだ。
さてさてそういう路線は如何なるバスか? 夕方出発して夜間走るナイトバスとい
うやつで車体はボロボロ、振動は凄いしなぜかすきま風・・・というより窓い
てんじゃないの?と思えるほどであった。おまけに気温の日較差の大きな国、
夜間は凄く冷える。しかし、行かねばならんのだよ! 宿の兄ちゃんに翌日17
時発ネパールガンジ行きナイトバスの予約をしてもらった。
ホテルの部屋のベッドでシュラフで寝たのは初めてだ。山に入れば当たり前
の事なのだが街のホテルで何故シュラフ・・・と思っているひともいるであろう
がただ単に寒いだけなのだ。
あの毛布1枚ではとても寝れたもんじゃない。
(3)深夜特急(バス)・・・