ガラパゴスへの旅(15日)
ストライキとキャンセルと
朝食の途中に、いつものようにオーナーが現れたので、
今日のピックアップの時間を確認する。今日はここ、ガラパゴスを離れる日である。
すると、困ったよな顔してなにやら説明してくれたがさっぱりわからない。
SUNが聞き取ったところによると、ハイウエーが閉鎖されてしまっているらしい。
フィッシャーマンがどうのといっていたらしいので、漁師がなにかやらかしたのだろうか?
どちらにしても、ハイウエーが閉鎖されていたのでは、僕達は空港に行くことができない。
ジャック氏はく海路を当たろうと思っていると言って、事務所に消えていった。
しばらくして、事務所から戻ってきたジャック氏は一言、NOBORT。
船がなかったらしい。これは困った。僕らはここガラパゴスに缶詰にされるのか?
とりあえず、いつでも動けるように荷物をまとめるため部屋に戻る。
荷物をまとめ、朝の運動(?)をするために個室にこもる。
すると、外から僕を呼ぶ声がして、ドンドンとドアをたたく。
慌てて出ると、どうやら空港への道を確保できたと言う。僕が個室にこもっている間に
ホテルの精算は済ませてしまっていた。あわてて荷物を抱えてホテルを飛び出す。
話を聞くと、昨日までお世話になった、スクーバ・イグアナのダイビングボートを
借りることができたという。まさか、それで空港まで行こうというのか?
そうなるとお客さんはどうなるのか?詳しいことは一切教えられず、言われるがままに
(説明している暇もなかったが・・・)ダイビングボートに乗り込む。
昨日まで一緒に潜りに行ったお客さんも一緒だ。でも帰るのは僕達だけのようだ。
皆は昨日までと変わらぬ格好をしている。僕らのために途中空港に寄ってから
本日のお客さんをつれて、ダイビングに行こうというのか?ほんとありがたいことだ。
港を出てしばらく行くと、ボートがスピードを落とし始め、向こうから小さな小船が
近づいてきた。それは木製の小さな船で、ダイビングボートよりもはるかにしょぼい。
その船をダイビングボートの脇につけると、僕達の荷物をそちらに移し始めた。
そして、僕達もそちらに移れと言う。訳もわからず言われたようにする。
ここで、ダイビングのガイドさんや、昨日まで一緒に潜りに行ったお客さんとはお別れのようだ
昨晩、あんなに熱いお別れをしたのに、なんだか変な気分だ。
その船は安定も悪く、座るところは濡れていたので、座ることもできない。
たっていると、危ないから座れと言う。仕方がないので真中にしゃがみこんでいた。
その船は、向こうに見える大型船に近づいていく。
船の脇には「デルフィンII」と書いてある。
僕達が最初に乗ったのと同じクルーズ船である。
このクルーズ船は本日クルーズを終え、空港に向かうので、これに便乗させてもらおうと
いうことらしい(あくまで推測)。
小船からデルフィンIIに乗り移る。少し波があるので乗り移る台が波に被ったりしている。
僕らはそのタイミングをみて乗り移るのだが、次の波がくると思うとあせってしまって
すねを階段にぶつけてしまった。それでも、僕はすまし顔で階段を上り船の甲板に移った。
しかし、SUNははっきりとその瞬間を見ていたらしく心配していた。
船内に入り、入り口近くにあったソファーに腰をおろし、その側に荷物を置いた。
この船にはどこまで話がついているのかとても不安だが、この際オーナーを信じて
乗っているしかないだろう。
しばらくして、船員らしき人に声をかけられる。
向こうにコーヒーの器械があるのでどうぞと言ってくれた。
しかし、今は一気にいろいろなことが起きて、ちょっと疲れ気味で、
静かにしていたい感じだった。
しばらくして、なにやらアナウンスが入る。
スペイン語なのか、何を言っているかさっぱりわからない。
すると、どこからともなく人が集まりだした。
この船は僕らが乗ったイザベラIIよりは少し小さな船のようだ。
僕らが座ったソファーよりも前方はレストランのようになっていて、椅子とテーブルがたくさん
置いてある。人々は皆そこに集まって来ているようだ。
お昼にしてはちょっと早いし、朝食にしてはちょっと遅いこの時間に
何が行われようとしているのか?
何が行われるにしても、僕達は部外者なのでここで見ていなくてはならない。
ちょっと気まずい感じだ。
そこへ、船員さんでもちょっと偉そう(態度がではない)なおじさんがこちらに向かってきて
君達もどうぞと声をかけてくれた。社交辞令だろうと思っていると、さぁ、こちらのテーブルへどうぞ
と席へみちびいてくれた。僕達はちょっと戸惑いながらも、ありがたく席に向かう、
あちらに何かあるのか、指をさしてどうぞ、どうぞといっている。
この際、お言葉に甘えてしまおうと思い、指を刺していた方へ行ってみると、
カップの中に海老のスープサラダ?のようなものが入っている。
僕は魚介類は大好物なので、SUNの分と、二つもって席に戻る。
席に戻ると、バーテンダーさんが、何か飲みますか? と声をかけてくる。
僕らは部外者なので、こんなところで注文をしていいものか心配になるが、一応二人とも
コーラと言っておく。
後で、請求されたら払えばいいかぐらいの気持ちである。
どうせ、コーラは1ドルていどだろう。
僕らの座った席は僕達以外に、もう一人のアメリカ人らしき人が座ってきた。
ポップコーンを根こそぎ掴んでは、そのまま口に運んでいた。ちょっと苦手なタイプかな
思っていたが、なにやら話し掛けてきた。僕は相変わらず、何を言っているのかわからないので、
SUNの脇でうんうん頷いているだけだが、この船にはスペイン人とドイツ人の
グループがあって、アメリカ人は私一人だと言っているらしい。
一応、ガイドさんは、何カ国語か喋れるらしいのだが。
お客さんのスペイン人もドイツ人も英語を喋れる人がいなくて、
喋れる人がいないと言っているらしい。
発音の感じから、今までのスペイン語なまりの英語と違って、とても聞き取りにくいらしく
SUNもそうとう苦労していた。
そうこうしているうちに、船は空港のある島の港に到着する。
船が大きくて接岸できないため、ここから小型のボートに乗って陸に上がる。
デルフィンIIのお客さんは、手荷物だけで小船に乗っていくのに対し、
部外者である僕達は、自分の荷物をすべてもって乗船しなければならない。
お客さんは船の人がすべて運んでくれるのだ。
小さな船にお客さんをぎっしり乗せている中、僕らの荷物を隙間に乗せてもらう。
桟橋に接岸してお客さんは順番に降りていく。スタッフの人が、船と桟橋をまたがって
降りるお客さんに手を貸している。
僕らは御客さんがみな降りるまで、座って待っている。
なんだか、先に降りるのは悪い感じだ・・・。
岸に上陸しても、僕らへは誰からも指示はない。
何も説明されないまま、ここまで来てしまったため、どうしていいかわからない。
そこへ、二人組みの日本人の人に話し掛けられた。
話を聞くと二人は、旅の途中にたまたま一緒になったのだと言う。
ここに空港行きのバスが来るはずだというので、それに乗っていってしまうことにする。
このバス、港と空港を行き来している無料のバスのようだ、そういえば来る時にも乗った。
バスに乗り空港に向かう、先ほど声をかけられた二人組みも一緒だ。
空港につくと、チェックインを済ませ、搭乗時間をまつ。
なにやらアナウンスが入る。
僕は何を言っているかわからないが、どうやら、フィッシャーマンのストライキのせいだろう、
ガラパゴスの町には入ることができないらしい。
今、飛行機で到着したばかりお客さんもこのまま引き返さなくてはならないらしい。
僕達はちょうど帰るところだったのでいいが、来たばかりの人はかわいそうだ。
僕らは、税関を通って待合室へ。
しばらくして、二人組みのうち一人だけが現れた。
もう一人の日本人はチケットの関係で、飛行機に乗ることもできずに
空港に取り残されてしまったらしい。
なんとしてでも、ガラパゴスの町に入らなくてはならないらしく。
二人はここでお別れのようだ。もともと、たまたま行き先が一緒だっただけで
特に一緒に行動していたのではないようだ。
税関の入り口で、なにやら偉そうな人が会見していた。
テレビ局らしきTVカメラやアナウンサーまで来ていた。いったい何があったのか
さっぱりわからないが、おそらくそのせいだろう、飛行機の出発が遅れてしまった。
僕らと日本人の一人を乗せて、飛行機は飛び立った。
もう一人の日本人はどうなったのだろうか?とても心配だ。
飛行機は、一度グアヤキルに寄り道ををする。
予定では、ここに30分ほどとまって、最終目的地のキトの空港に向かう。
しかし、ここに1時間ほどとまるので一度飛行機を降りろと言う。
(正確にはなんと言っているかわからないが、多分そんなことを言っていると思う)
荷物はどうするかわからなかったので、一応、もって出る。
僕らは荷物を預けてしまったので、手荷物はごくわずかだ。
空港の待合室のようなところで待たなければならない。
もちろん、この町に出ることもできず、ただ何もしないで待つことしかできない。
一応、中央の大型TVではサッカーの中継をやっていたが・・・。
再びアナウンスがあり搭乗する。飛行機を降りたときに渡された赤いトランジット?
の札を返すだけで、飛行機に乗ることができた。
飛行機はそのままキトの空港に到着する。
荷物を受け取って外に出る。荷物の札以外のチェックは何もなく外に出ることができた。
外には予定通りメトロポリタンツーリストのお迎えの人が、出口の目の前にプレートを
持って立っていた。
ここでその日本人とはお別れだ。
再び、ヒルトンコロンに送ってもらい、チェックインを済ませる。
ここで、ヒューストン行きの飛行機が出るまで休むのだが、
よく考えると、予定でも5時間ほどしかしか休めないのに、
ガラパゴスからの飛行機が遅れて関係で、2時間ほどしか時間がないことになる。
それでも、空港からここまで運んでもらったツーリストの人にチップを払い、
ホテルではポーターさんに荷物を運んでもらってはチップを払い、また出る時も
荷物を運んでもらってはチップを払い、さらに、空港まで送ってもらってはチップを払い。
たった、2時間ホテルで休むだけで、どれだけのチップを払わなければならないのか?
こんなことなら、空港内でぷらぷらしていた方がよっぽどましである。
それでも、機内食がすぐ出ると思うが、一応夕食を軽く取ることにする。
すでに時間はほとんどないので、ホテル内のカフェで済ませることにした。
カフェに行くと、前に来た時はなかったテレビが店の真中に設置してあった。
そこには、サッカーの中継が流れていた。
エクアドルの人間はサッカー自体はあまり強くないのだが、皆熱狂的らしいと言うことを
港で会った日本人から聞かされていた。
しかも、お客さんならともかく、スタッフの人もテレビを見入ってしまって、なかなか仕事を
していないのである。
店員を呼ぼう思っても、みなテレビばかりを見ていて、お客さんの方はほとんど見ていない。
カフェでは、スパゲッティのビュッフェになっていて、好きなパスタと好きなソースを選んで
温めてもらう。
会計をして代金を払う、やっぱりお釣りは返ってこなかった、なんていいかげんな国だ。
外国とはどこもこんなもんだろうか・・・。
カフェを出ると、ピックアップの時間になってしまった。
僕達は慌てて、部屋に戻り荷物を持って部屋を出る。
部屋の電話が鳴ったが、無視して荷物を持って下に下りる
ロビーに下りるとポーターが飛んできた、そこまでしてチップが欲しいか!!
ピックアップの係りの人も待っていた。チェックアウトを済ませ、車に乗り込む。
QUITOの空港に着き、チェックインを済ませてもらう。
荷物チェックを受け空港の中へ、
中に入ると、二人の日本人の女性がいたので話し掛けてみた。
二人は???の町から来てこれからニューヨークに向かうのだという。
しばらく僕らとその日本人の四人で喋っていると、日本人の男性に話し掛けられた、
しかもその内容が、ヒューストン行きの飛行機がキャンセルになったのはご存知ですか?
である。僕らは何も考えずに、どこにも掲示されないねなどと言っていた程度であったので
とても驚いた。
僕達はがっかりしながら、その場を後にする。
カウンターに並び、今日のキャンセルと明日のチケットの発行をしてもらわなければならない。
時間はすでに12時近くになってる。
ホテルから、空港まで送ってくれた現地のスタッフを見つけたので、
助けを求める、天候のせいだからどうにもならないと思うよとブツブツいいながら、
カウンターの人と話してくれたが、やはり駄目なようだ。
その人は、一回りして戻ってくるからと言ってどこかに消えていったが、
それっきり二度と戻ってこなかった。
あんなにチップを持って行ったくせに!!
僕達は途方にくれる。
それから1時間ほど過ぎただろうか、ようやく僕達の番がやってきた、気づいたのが遅かったので
並ぶのも最後の方になってしまったからだ。
途中で空港の電気は消され、かろうじて僕らのカウンターのところだけになった。
ようやく手続きが終了した。時間は2時近くなっていただろうか?
空港内はカウンタのところ意外は真っ暗で、これからどうしたらいいのかさっぱり分からない。
ホテルを探すにしても、何を元に探していいのか分からない。
すると、先ほどの日本人女性が、もしよかったら昨晩とまったところに一緒に行きませんかと
誘ってくれた。とても嬉しかった。このまま、空港内で野宿かと考えていた所だったので、
とても嬉しかった。
しかし、夜はスペイン語を話す人しかいないので、カウンターのスタッフに
言って聞いてみてくれとお願いする。
何とか泊れるようだ。早速外に出てタクシーで移動することにする。
外に出ると、たくさんのタクシーの運転手が客はいないかという目でこちらを
見てくる。最近治安が悪くなってる地域だと聞かされているせいか、ちょっと怖い。
でも、タクシーで移動しなくてはならないので交渉に入る。2ドル半で行きませんかと言うが、
みな3ドルでなければ行かないという。そのうちこの中に2ドル半で行く人はいないか
と全員に聞くようになった。
では私が行きましょうと名乗りをあげる人がいたので、お願いする。
宿に付いてブザーを鳴らすと中から人のよさそうなお兄さんが出てきて、
僕らが誰か確認すると、門の鍵が外れる音がして門は開いた。
早速、部屋に案内してもらった、部屋はツインでシャワーもトイレも完備していて
とても綺麗だ。ヒルトン・コロンを思い出し、これで十分である。と思った。
部屋の中を一通りチェックした後、そのまま寝てしまった。