ガラパゴスへの旅(10日)

ダーウィンの思い

今日は下船の日、いつもよりも30分早くモーニングコールの放送が入る。
下船準備のため、荷物をまとめてキャビンに下りる。

基本的には部屋の前に置いておけば、後は船のスタッフが運んでくれるはずであるが ちゃんと、僕達がこれからホテルガラパゴスに行くことを把握しているのかとても不安に なり、荷物を持ってきて、これはホテルガラパゴス行きだよと伝える。

ゾディアックで上陸して、ダーウィン研究所を観光する。
ここは、ガラパゴスの生物の研究や、ゾウガメの保護と飼育をしているところである。

ナチュラリストと僕らは不思議なかたちの植物の間を歩きながら、ゾウガメがいる柵に向かう。

ゾウガメ1 まずはゾウガメとご対面だ。 入り口を入って、ちょっと行ったところに、ゾウガメの飼育されている檻がある。 そこに、差し掛かった時僕は、大変驚いた。

とにかくでかいのである。甲羅の高さは1mはあるだろうか。 テレビで見たり、本で見たりはしていたが、これほどまでに大きいとは思わなかった。



ゾウガメ2 しかも、絶対に触ってはいけない、この領域には入ってはいけないなど、注意は受けたが すぐ目の前まで行くことができる。
ゾウガメは僕達のことを一切気にせず黙々と餌のバナナの葉っぱのような物を食べている。
食事時のようだ。

草をかじるたびに「ワシャ!」「ワシャ!」と大きな音を出して、草を噛み切っている。
それに、少し動くだけで「ミシミシッ」「ミシミシッ」ときしむ音がして、 体が地面に着くと「ゴツッ!」と音がする。

カメの大きさの迫力と年齢の長さ?を感じる。


ゾウガメ3 僕らとの大きさの比較でわかるように本当に大きい。
とにかくこの大きさは一度実物を見ていただきたい。大きさを見るだけでも一見の価値はあると思う。 (もちろんそれだけではないが・・・)。


ゾウガメ4 このゾウガメは前のゾウガメと違い、少し甲羅の形が違うのだが、わかるだろうか?

甲羅の形からもわかるように、首が上の方まで持ち上がるようになっている。 これは、背の高い草木がある島のゾウガメだということがわかる。

これはわかりやすい例だが、ここガラパゴスのゾウガメは島ごとに微妙に甲羅の形が違う。


あこがれのロンサムジョージ

次は子供達を見に行こうと言うので、ロンサム・ジョージは?と聞くと、 おう、そうかそうか、ではそれから見に行こうということになった。
ナチュラリストもなぜか小走りになり、僕達も付いて行く。
東京で旅行会社の担当の人が2回ガラパゴスに行ったが、一度も見たことがないと言っていた。 いつもは、草むらに隠れていて、食事時にだけ出てくるらしい。

ということは聞いていたので、今は食事時だから、 見るなら今のタイミングしかないと思ったのだろうか?

ついていくと、ここがロンサムジョージの檻だという。 同じ檻の中に二個体のカメを発見したがそれは違うと言う。おそらくお嫁さん候補だろう。

ロンサム・ジョージ 遠くの方で、係りの人が、餌の大きな葉っぱを、持ってきていつもの食事場所だろう所に 置いていく。
しばらくして、ナチュラリストが指を指して、声をあげた。
遠くの方の草むらから、ゆっくりとゆっくりと姿を現したのはロンサムジョージである。

彼が、夢にまで見たロンサムジョージである。 何年か前にテレビで見たことがあるロンサムジョージである。

もともと、ガラパゴスのゾウガメは島ごとに異なった進化をしてきた動物で、 動きが遅くたいして餌を与えなくても生きていくことができることから、 昔、海賊や捕鯨の時代に、食料として大量に捕獲されてきた。
ロンサムジョージとは、ピンタ島で進化してきた最後の個体となる。 彼が死んでしまったら、この種はいなくなってしまうのである。
英語の読める方はこちらの LONESOME GEORGE THE LAST OF A DYING RACE に詳しく書いてあります。

僕達はしばら彼を観察していた。
次はいつ見られるかわからない、と思うとここを離れるのが惜しくなる。 ガイドもそれを察したのか、しばらく黙って観察させてくれた。
しかし、次に行こうと言い出したのもガイドだった。 確かに、ここにいつまでもいるわけには行かない。

ロンサムジョージは保護されてから30年近く経つ、近似種のお嫁さん候補と生活をしてるが お気に召さないのか、歳のせいか、まだ子供はできていない。
すでに100歳を超えているので、もう子供は無理かと聞くと、ゾウガメは150年以上生きるから まだまだこれからだという。あと50年は大丈夫だと言う。

次に、子供達が飼育されているところに行く。
亀の子供達は島ごと、年代ごとに分けられていて、種が混ざらないようにされている。 子供の頃の亀は、あまり甲羅の形に違いはなく、区別するのが大変のようだ。

最後にミニミュージアムを見学する。
ここには、ガラパゴスの歴史や、ダーウィンの進化論についての掲示がたくさんある。 でも、あまり大きな展示場ではないので、すぐに一回りできてしまう。

ガイドはそこのスタッフと話しこんでしまって、声をかけても、ちょっと待ってくれ という調子である。
お土産屋さんで軽く買い物をして、僕らはダーウィン研究所を後にする。

研究所を出て少し歩くとすぐにこれから僕達がお世話になるホテルガラパゴスが見えてくる。
チェックインを済ませ、ナチュラリストのガイドとはお別れである。

ガラパゴスホテル3 ここがロビーだ。結構広く食事もここで取ることになる。奥には本棚があり、ガラパゴスに関する本が たくさん置いてあった。日本語の本もあった。日本人が読み終わった本を置いていくのだろう。

飲み物はその脇のカウンターにある冷蔵庫から勝手に持っていって、 ビールかソフトドリンクかそこにある紙にチェックしていく仕組み。


ガラパゴスホテル1 オーナーの人が部屋まで案内してくれた。
部屋は二部屋ずつはなれになっていて、自然の中に作ってあるという感じだ。
この建物は全て前オーナーの手作りらしい。
木の皮で作った電気スタンドなんかが、なかなかおしゃれな感じだった。

シャワーもトイレもあり、お湯もちゃんと出る。部屋もなかなかこぎれいな感じで 自然を壊さないようにと、たいしたホテルはないと思っていたので、ちょっと拍子抜けした。


スクーバイグアナ 荷物を降ろして一息ついたら、早速明日からお世話になるダイビングサービスの 「スクーバイグアナ」に明日からの予約を入れに行く。
場所は、ホテルのすぐ隣だ。実はオーナーが同じらしい。

次の日のダイビングを前日に決めたいと伝えるのがたいへんだったが、 なんとか伝わったようだ。

僕らは、今回ダイビングの器材はレンタルすることにしていた。
ただ、水温が冷たいので、ウエットスーツは持っていった方がいいとあったので、 ウエットスーツだけは持ってきていた。
そのおかげで、僕らはお互いリュック一個という装備で来ることが出来た。 (僕はそこに一眼レフのカメラとそのハウジングも入ってである)

あとは、フィンやブーツのサイズを合わせて、今日の手続きは終了。


まだ、日が高いのでホテルの中を散歩してみる。
ホテルの周りにはそこらじゅうにウミイグアナが普通にいる。
気をつけて歩かないと踏みつけてしまいそうだ。
(向こうもあまり近づくと一応逃げるみたいだが・・・)

夕食の後は明日に向けてカメラの準備などをして眠りに付いた。

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