(12)入山5日目

1月3日(土)

たかじろう生還 さあ風呂だっつ! (ポカラ)

予定では今日が最終日である。今日中に麓の街ポカラまで戻るつもりだ。
ディーパックは往路とは別のルート、ゴレパニやウレリをまわろうとしきりに薦める。
そのルートを辿ってプーン・ヒルという実に景色の良い場所に行こうという。
そこに行けば遠くダウラギリをも望むことができる。しかしそのルートをとると ガンドルンあたりの泊りになり今日中にポカラへ戻れなくなる。それは困る。
なぜ、たかじろうはそれほどまでにポカラに拘るのか。もしかしたらカワイイ オネエちゃんと約束でもあるのか?
実はなんとしても湖畔のムーンライト・リゾートへ泊まりたいのだ。そこには何と バスタブ付きの部屋があるのだ。先週の金曜日に成田を発って以来シャワーだけで 済ませてきた(それも3回)のでなんとしても風呂に入りたい、湯に浸かりたいのである。 さすがのたかじろうもニッポン人(推定)である。だもんで、ディーパックには そのルートは来年まで取っておこう、などと説き伏せ往路と同じトレイルを辿ることにした。 それにもう足がパンパンに張って非常に辛い。もう、これで終わりと思う気持ちに体が 素直に反応しているかのようだ。

チョムロンからビレタンティへは途中に村が点在するのでそこいらで果物が調達できる。 ミカンを1ダース程買い込み小休止のあいだにバクバク食べる。無くなってはまた 買い込む。種入りのやつだが非常にウマイ。写真を撮ることもあまりなくひたすら 歩く。このトレイルはどこに行くにも通る道なので非常にトレッカーが多い。それに 村の人たちもいる。こんなにたくさんの人がいるところは久しぶりだ。
もうここまできたらビレタンティはもうすぐだ。
果して14時20分、たかじろうはビレタンティの出口、ナヤ・プールのバス停に到着した。

帰りのバスから見える山々、今回のトレイルからは見えなかった山もある。
西からサウス、T、ヒンチュリ、マチャプチャレ、W、U、ランジュン・ヒマールだと ディーパックが教えてくれた。また訪れる意欲の湧く景色であった。このようなすばらしい 景色を眺めながら頭の中には熱ーい風呂とサン・ミゲールしかなかったのである。
窓もまともに閉まらないオンボロ・ローカルバスで1時間半。ポカラのバスターミナルに 降り立ったたかじろうは誰が見てもヨレヨレ、しかしその実5日間でA.B.C.往復 という業を成し遂げた者だけが持つ神々しいまでのオーラに包まれていたのであった(ハズ)。

(13)たかじろう帰国
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