江戸川花火大会2004
江戸川花火2004年8月7日
『年々熾烈さを増す場所取り』
8月7日午前1時過ぎ・・。花火大会前日の深夜、と言った方が良いだろう時間に
花火会場付近に到着した。
もともと実家が江戸川区で地理に明るい、という理由から場所取りの担当に
なって早数年未だにその任を解かれないでいる。
車を降り、土手をあがってみる。と、既に場所取り争いの激しい事が見て取れた。
見下ろす河川敷には、陣地の確保済みをあらわすビニルヒモ、ブルーシート、
名前を書いた段ボールが相当数ある。それだけならばまだしも何故こんな?!
と思う程あちこちに場所取り人員がいるのだ。懐中電灯(ランタン)の灯りで
酒盛りしていたり、MDプレーヤーからオレンジレンジの『上海ハニー』が
流れてきていたり・・・自分達は棚に上げて「何時だと思ってンのー?」!
昨年は所用で来れなかったが、2年、3年前迄はここまで場所取りに苦労しなかった。
実のところ今回も「当日朝に来ればいいや」などとのんきに構えていたが、
12人集まるし、良い場所確保!と念を入れて夜中に来てみたのだ。来て良かった。
スグ左手に打ち上げ会場を見ながら土手から川の方へ向かって通行路が作られている。
その通路脇の場所なら迫力があってなおかつ集合し易いだろう、と
探しはじめる。が、周辺に空いているスペースはない。川沿いを走る通路にぶちあたりそちらへ右に折れて進み、
打上げ会場が離れて行くよお、と哀しくなり始めた時ちょこちょこ隙間が出始めた。
(途中、いい場所見つけた!とシートを広げ始めたら若者がおずおずと現れて
「あのーココ取ってるんですぅ」って。良く見たらバカでかい敷地がビニヒモで
囲われており私達はヒモとヒモの間に陣取ろうとしていた。150人集まるとか、
なんじゃそら)
結局、目標よりは打上げ会場から離れてしまったが、場所説明がし易そうな陣地を確保。
一先ず安心して帰宅。
生ビール
7日午後2時、地元の友人1人をピックアップして出発。
打上げの開始は7時15分からで、5時以降は交通規制がしかれ車・自転車等が会場付近までも近付けない。
混雑を避けるため集合時間は早め!が鉄則であるが、私達の集まりでの最重要必須アイテム『生ビール』樽、
サーバーの搬入をスムースに行うのに、更に早め早めの行動が必要だった。
車が走り出して間もなく、自宅から会場までチャリンコで乗り付ける、という友人から「今から出発する」という電話が入った。
今夏は猛暑続きで心配だったが、この日はそれほどでもなかった。
見上げた空は明るいが雲が多めで花火に影響しなければいいな、と思った。
酒類の買い出しを済ませ現地到着は3時を過ぎてしまっていた。
既に駅から会場へ向かう人の列がぞろぞろと続いており、すこし焦ったが、搬入は頑張って速やかに終えた。
私達は酒類、クーラーボックス、テーブル、電気ランタンなど要は重くてかさばるものを用意するかわりにおかず・おつまみ等持ち寄りは免除してもらっている。
しかし、搬入した後も車を(規制区域外までの結構な距離を!)移動させ、帰りも混雑の中を車を取りにいかなくてはならず毎年ちょっと憂鬱になる任務だ。
なのに江戸川の花火を観た直後「また来年も!」と思うのだから、それだけ花火が素晴らしい、ということなのだろう。。。
(あと、運転手=酒を飲まなくても平気な人、が私しかいないし・・)
『僕(しもべ)と呼んで下さい』
会場一番乗りはチャリンコの友人だった。門前仲町から軽快に飛ばして予想よりずっと早く着いてしまい(40分程?)、3本目の缶ビールを空けたところだと言う。私が車を移動する間、彼にビールサーバのセッティングをお願いした。彼は「俺は理系だ。まかせとけ」と良く判らない自信いっぱいの返事で答えた。
人波に逆らい、連なる路上駐車を避けてやっと車を留め、今ではあまり見かけなくなったキックボードで引き返すと、なにやらサーバを囲んで不穏な空気が漂っていた。「なんで?」「おかしい」「このままでは暴動が・・」詳しく聞くと、生ビールが出てこない、と言う。
私も加わり4人で一枚の説明書きをぺらぺら裏表見返してみたり、あげく通常いじる事のないパッキンを外し、製造不良を疑ってみたりした。
アッ!っと思わず私は叫んだ。
「あのぉ、ホースの付け方(入/出)が反対なんですけどぉー」。。。
痛恨のミスをした彼は騒ぎの罰として15Pのビールが無くなるまで「ちょっとぉ、ビール」の声に『ハイ、よろこんで!!』とサーブし続ける事となったのだった。
『川に飛び込む前にお手洗い』
最寄りの都営新宿線篠崎駅から土手までは人の流れに乗って歩いて行けば自然に着くので迷う事はない。
しかし開始時間が迫るにつれ駅構内の混雑は半端ではない。
改札を抜けるまでに30分かかってしまい、打上げ開始に間に合わなかったなんて事もある。
なんとか時間前に着いても携帯電話は混み合って通じなかったり、暗闇の中で友達を見つけられないまま悲しく帰途についた人もいた。
それより余裕を持って飲みながら花火を待つ方が賢明だ。他のメンバーも5時頃からバラバラとやって来はじめた。
「土手と河川敷を結ぶ11番の階段を降りたら、進行方向一直線に進む、途中敷いてある他人のシートは踏み付けて構わない。とにかく真直ぐ進む、と川に落ちる前に仮設トイレにぶつかるから。そこまで来たらお互いが見えるよ」
そう、私達の鑑賞席はトイレの手前5メートル・・・。でも微妙かと思われた臭いは、鑑賞中風向きによりしなかった。ホッ--
この場所の唯一の欠点は、仕掛け花火を真横から見る格好になってしまうので、
富士山を形作るはずが私達には一本線にしか見えない事だ。(結構イタい?!)
『おいしい!たのしい!日本にうまれてよかったー』
みんなの持ち寄ったおつまみは、たいへん豪勢なものだった。
枝豆や茄子とししとうの揚げびたしやお家で収穫したばかりのかぼちゃやゴーヤのサラダなどの夏野菜盛り沢山
他にも定番メニューの焼鳥、コロッケ、空揚げなど大いに食べてそしてビールビールビール!
生ビールはもう一樽あっても大丈夫だったようだ。もし先着組がセーブしてなかったら早々に無くなって
非難ごうごうだったろう。
あたりも暗くなり皆、ちらちらと時計を気にしだして間もなくやっと花火大会開始の放送が流れる。
最初の数分間に1000発打ち上げると言うなんともゴージャスなオープニング、見逃す訳にはいかない。
「5・4・3・2・1」のカウントダウンで観客のボルテージも盛り上がる。そしてドッ!ドッ!ドッ!ド!!
これでもかとばかりに後から後から打ち上がる音と光の芸術!友は「もうやめてー!?やめたげてーー!!」と興奮し叫び声をあげていた。
花火の迫力と美しさ、演出の素晴らしさは実際に観て感じてもらう事が一番だろう。(伝えきれない!)
連発、単発で豪快と繊細可憐の緩急つけた演出や新作と思われる花火も大変良かった。
途中ごくわずかに雨もぱらついたが、うまい具合に幕間であがり影響はなかった。
とにかく最高!の夏の夜だった。
『お願い』
実は川沿いのポイントにはもう一つお楽しみがある、それは花火大会が終了した
後なのだが急いで会場を発ったところで既に相当の混雑は間違いない。なのでいつも
場内が空くまで残ってしばし歓談する。そのうちに川沿いの通路を花火師達や機材を乗せた
ワゴンやトラックが帰って行きはじめる。そのお見送りが楽しいのだ。
感動を与えてくれた人達に「ありがとう!すごく良かった」とか「来年も宜しく!!」などと
声をかけると、ウインドウをいっぱいに開け『ありがとう!』と返してくれる。握手を交わしたり
ハイタッチで一瞬の交流ができ、また感激できる。
ただ今年は気になったことがある。徐行中のトラックの側面を感謝の意を込めて叩く光景はよくあるが
力を入れて叩いていた輩がいた。他にも後ろのタラップに乗り上がったり降りたりを繰り返す悪ノリで
本人達はおもしろがっていたが、関係者には迷惑この上ないし見ている私達も気分が悪かった。
ああいう行為はやめていただきたい。
ついでになるが私達も数年前は、空き待ち時間用に花火を買ってきて遊んだこともあったが
2年前に他グループの打ち上げ花火がこちら(幼児が居た)をかすめて行ったり燃えかすで友人のジーパンに
穴があく、という怖い経験をしたのでやめた。やはり周囲に人が残っている場所ではやるべきではない。
『充実感いっぱい』
気付けば買い込んだ缶ビール、酎杯や差し入れのワインなどもすっかり飲んでしまい散会。
混雑も一段落し、駅に向かう友人達と別れる。何故か車に乗り込む人数が増えており、そのまま我が部屋へ。
自転車の友人も「今夜は帰りたくない」とゲームソフト持参で駆って来た。
そして宴?は深夜まで続いたのだった。ああーツカレターー!!