LEDとは、最近流行りのハイテク光源である。
蛍光灯には劣るものの白熱電球に比べてはるかに省消費電力で、蛍光灯に比べてはるかに小型のこの光源は、
最近ではさまざまな機器の光源として使われている。
身近なところでは懐中電灯や、電光掲示板、新しい信号などだ。
白熱電球 (ハロゲンやいわゆる豆電球) に比べると扱いが少々難しいものの、わかってしまえばこれほど便利なものもない。
そんなわけで、LEDを使っていろいろ作ってみるのである。
「LEDってなに?」ってな人はこちらを読んでみてください。
さて、まずはLEDを点灯させるための基礎知識から。
LEDというのは Light Emitted Diode の名の通り、ダイオードの一種である。
簡単に言うと、半導体の中を電気が流れる時にそのエネルギーがそのまま光になって出てくる。
このため、白熱電球に比べてはるかに効率がよい。一旦熱にしてから光に変換する白熱電球より、電気が直接光になるのだ。
ただし、蛍光灯と比べると半分ぐらいの効率で、まだまだ蛍光灯の照明器具としての地位は揺るがないものと思われる。
しかし、LEDの蛍光灯に対する利点はその小ささと長寿命である。
蛍光灯がいかに効率がよくても、このような小型水中ライトに組み込めるような大きさにはできない。
LEDの中には、1mmほどの大きさのものまである。
また、発熱するフィラメントがないので、数万時間という寿命を持つ。
超小型で長寿命で高効率。
これが、LEDの特徴である。
さてこのLED、電球よりも使用条件が少々厳しい。
例えば一般的な高輝度白色LEDの場合、 3.6V 20mA という定格だ。
この定格を超えると、壊れてしまうことがある。
まあ、豆電球でもあまり高い電圧をかけるとフィラメントが切れてしまうのと同じようなものである。
最大絶対定格は30mAで、これだけは絶対に超えてはいけない。
では、このLEDを点灯させるにはどうすればいいだろう?
白色LEDを点灯させるには、3.6V必要である。
電源が単三4本だとすると、6Vあるので一個を点灯させるには十分である。
だが、逆に3.6Vでいいのに6Vもかけてはいけない。
これでは電流が大きすぎて、LEDが破損する。
ここで、有名な公式を思い出して欲しい。
E = RI
電圧 = 抵抗 × 電流
である。
電源が6Vで、LEDが3.6Vなので、残り2.4Vをなんとかしないといけない。
このままでは、33.3mAも流れてしまい、最大絶対定格の30mAを超えてしまう。
そこで、「制限抵抗」というものが必要になる。
LEDに流れる電流を制限するのだ。
例えば一個だけ点灯させる場合は、(6V-3.6V)/0.02A=120Ωの制限抵抗が必要だ。
これで、6V電源でもLEDには20mAしか流れない。
実際には1割程度の安全率を見たほうがいいので、3.2Vぐらいで計算した方が安全である。
しかし、このままではLEDを2個直列はできない。3.6V*2=7.2V必要だからだ。
並列ならOKだが、その場合すべてのLEDに対して120Ωの抵抗が一つずつ必要になってしまう。
これでは配線も大変だし、そもそも120Ωもの抵抗がいくつもついていたらせっかくのLEDの省消費電力という特徴がスポイルされてしまう。
抵抗はそのまま電気を無駄に消費するものだからだ。
まして、これが32個ともなると一筋縄ではいかない。
そこで、昇圧回路を使って電圧を上げ、複数のLEDを直列で使えるようにする。
こちらではLM2704という昇圧用のチップを使い、電圧を15V程度まで上げてLEDを4つ直列で点灯している。
これによって配線が簡略化でき、かつ効率もアップするのである。
電子工作は初心者そのもので、表面実装部品を使ったのは初めてなのだが、初心者なりに気づいたことを書いておく。
コツは、先が尖った表面実装部品用のハンダゴテを使うことと、ハンダをつけすぎないことだ。
また、精度のいいピンセットと、目が悪い人はルーペも必要かもしれない。
1.1mmぐらいに切った糸ハンダを基板に置き、溶かして薄くハンダでメッキしておく。
これによって部品をすばやくつけられるようにする。
ここで、決してハンダを盛り上げてはいけない。あくまで薄く塗り伸ばす要領で。
2.コテの先をきれいにしておき、基板にコテを当てて先ほどのハンダメッキを溶かして待ち構えておく。
3.部品をピンセットで所定の位置に置く。そのまま、数秒間部品を暖める。
4.コテ先で部品に向かってなで上げるようにはんだをつける。これで、基板から部品の上端まで滑らかに坂ができればOKだ。
5.反対側も同じように暖め、なで上げる。
6.ハンダが足りない時は、糸ハンダを直接触れるのではなく、小さく切った糸ハンダをピンセットで置く。
普通の電子部品のようにハンダを直接つけるとたいてい多すぎるので注意。
ルーペがあると便利なようだが、2012程度の部品なら私は使わない。
裸眼でも十分見えるし、ルーペで拡大されていると実際の手の動きと見えている像の動きとが一致しないのでどうも感覚的にうまくいかないのだ。
ちなみにコテ先は常にきれいにして使うのがきれいなハンダ付けをするコツだ。
普通は濡らした耐熱スポンジで拭くのだが、私はこういうものを使っている。
100均で買ったスチールたわしを適当な器に突っ込んであるだけだ。
後ろに写っているのが普通のコテ台とスポンジだ。
コテをこれにニ〜三度突き刺すだけで、コテ先のハンダとヤニがきれいに落ちる。
慣れれば全く見ずにザクザクと突き刺すだけできれいになるので、効率が非常にいいのだ。
ハンダカスが器の底に溜まるので、時々捨ててやるだけでよい。
もしかするとコテ先が痛むのが早いかもしれないが、アマチュアが時々使うぐらいなら心配するほどではないと思う。
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