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マイルカ科-イロワケイルカ

イロワケイルカ
イロワケイルカ

和名:イロワケイルカ
英明:Commerson's Dolphin
学名Cephalorhynchus commersonii Lacépède, 1804
撮影:S.Goto(サンシャイン国際水族館)
分布:南アメリカ南端のフエゴ島およびフォークランド諸島周辺の海域、および、インド洋南部のケルゲレン諸島周辺の海域、二つの海域に棲息する。
特徴:浅瀬を好むようである。
体長1.5m程。体の模様は非常に特徴的で、頭部、胸ビレ、背ビレ、尾ビレは黒く、喉と胴の大部分は白い。黒白2色の境界は非常にはっきりしている。額はなだらかに傾斜し、口吻の前方への突出はほとんどない。胴体もずんぐりとした形状である。胸ビレの形状は先端が丸い。また背ビレは頭側は直線的で尾側は凹型である、上端は丸い。幅広く太い尾びれの中央には切れ込みがある。体型は寸詰まり気味であり、外見はネズミイルカに似ているが、行動は他のマイルカ科のイルカに似ている。
雌雄ともに6年から9年で性成熟する。繁殖期は春から夏の間であり、妊娠期間は11-12ヶ月である。飼育下での最長飼育記録は約21年であるが、寿命はまだ正確にはわかっていない。
本種の生息域は2箇所あり、一つはアルゼンチンの入り江、マゼラン海峡、フォークランド諸島などの南アメリカ南端の海域で、もう一つは1950年代に発見された、その海域から8,000kmも東方のインド洋南部のケルゲレン諸島周辺である。
全生息数は不明であるが、生息域では良く見られる。1984年の調査では、マゼラン海峡に3,400頭が生息することが報告されている。
本種は非常に活発に行動する。海面を高速で泳いだり、ジャンプしたりする様子が頻繁に観察される。海岸の近くでは、波乗りをするかのような回転などの行動も見られる。高速で移動する船を追いかけたりもする。
主食は近海や遠洋の魚類やイカである。南米では甲殻類を食べる群もある。
種小名のcommersonii、および、英名のCommerson's Dolphinはフランスの生物学者であるen:Commerçonに由来する。
本種は国際自然保護連合 (IUCN) のレッドリストでは「情報不足」(DD:Data Deficient)に分類されている。海岸に近づく個体が刺し網による混獲の被害に遭うことは珍しいことではない。1970年代から1980年代にかけて、アルゼンチンやチリではカニ漁の餌としてイロワケイルカが使われたこともあったが、近年では少なくなっている。


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