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マダコ科-ミズダコ
和名:ミズダコ 英明:giant pacific octopus 学名:Paroctopus dofleini Robson,1925 撮影:上:S.Goto(東海大学海洋科学博物館)/下:S.Goto 分布:本州中部以北の太平洋と日本海、北海道、カナダをはじめ、北アメリカ沿岸部にも分布 特徴:水深200m以浅の冷水海域にすむが、海水温の低い冬から春先にかけて沿岸に近づき、膝ほどの深さの岸辺でも見ることもある。 体は大きくて皮膚がゆるくやわらかい。体長は脚を拡げると3~5m、体重も10~50kgにもなり、体長9.1m、体重272kgの記録もある。タコの仲間で世界最大。口のカラストンビは人の握り拳大ほどもあり、これで餌であるカニの甲羅や貝の殻を咬み砕くと言われる。体の殆どが柔軟な筋肉であるため力が強く、絡まれたら人間はひとたまりも無い。潜っていた時に襲われ、窒息して死亡した例もある。但し、近づきすぎたり、刺激しない限りは故意に人を襲うことはない。陸上では水中と違い、重い体重を支えることは出来ず、動けなくなってしまう。 カナダ方面では大型化し、体長3.5mにも達する大物も少なくないと言われる。 餌は主にケガニやタラバガニなどの大型甲殻類や、魚類やホタテガイのような貝に、ウニ等も貪欲に捕食する。本種が大型化したのは、北海に生息するそれら大型甲殻類などの餌が豊富であること、寒海には住めない他のタコ類との競争が少なかったことが考えられる。 天敵はイルカやラッコ、アザラシやトドといった海生哺乳類に、サメ類などの大型魚類などで、襲われると周囲のものに擬態したり、墨を吐いて逃走するが、それらに捕食されるのは小さな個体である場合が多く、巨大な個体なら逆にサメを捕食してしまう事すらある程の力を持っていて、充分に育った成体にはあまり敵はいないだろうとも思われる。 寿命は2~3年とされていて、雄は雌と交尾した後、雌は卵を守り、孵化を見届けた後に一生を終えるが、地域別には4年ほども生きる個体もいるといわれる。 雄雌の違いは雄の方が体も吸盤も大きく、不規則に並んでいるの対し雌の吸盤は大きさも均一で、比較的均等に並んでいる。雄は8本の脚の内1本の先が交接器になっていて吸盤が無く、先端がへら状に発達している。雄が精子を雌に受け渡す際に用いられる交接腕を、雌の輪卵管に挿入し交接をする。また、他のタコや周囲の状況に擬態したり、迷路を解いたりするなど高い知能を持っている。生態的に未解明な部分が多い。 |
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