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カワハギ科(Monacanthidae)-カワハギ
和名:カワハギ 英明:Thread-sail filefish 学名:Stephanolepis cirrhifer (Temminck & Schlegel,1850) 撮影:上:S.Goto(大洗水族館)/左中:S.Goto(房総)/右中:S.Goto(伊豆海洋公園)/下:S.Goto 分布:北海道以南から東シナ海まで分布 特徴:日本産カワハギ属は本種1種のみからなる。 水深50mより浅い砂底と岩礁が混じるような環境に群れで生息する。幼魚は流れ藻につく。200mの場所から採集された記録もある。 全長は最大30cmほど。体は菱形で上下に平たい。背鰭棘は眼後端の上方にあり、第1条と腹ビレは太く短いとげになっている。また、オスは背びれの第2軟条は糸状に細く伸びるのでメスと区別できる。雌雄ともに尾鰭後端が糸状に伸びることはない。体色は青灰色や褐色で、表面はザラザラしている。個体によって淡いまだら模様や黒っぽい縦じまが入る。口は小さいが、ペンチのような頑丈な歯がある。 本種はカワハギ科の中で腰骨に鞘状鱗があるグループで、これを動かすことができる。 全身が丈夫な皮膚におおわれるが、この皮膚は料理の時にすぐに剥がせることが和名の由来になっている。 ウマヅラハギに似るが、ウマヅラハギに比べて体高がある。 昼に活動する、夜は海藻などを口にくわえ眠る習性がある。肉食性で、ゴカイ、クラゲ、貝類、ウニ、甲殻類など、さまざまな小動物を捕食する。口に水を含んで砂地に勢いよく吹きつけ、砂にもぐった生物を巻き上げて捕食する。殻におおわれたカニや貝類なども、頑丈な歯で殻を噛み砕いて食べてしまう。最近ではエチゼンクラゲを集団で襲うことが判明し駆除に期待されている。産卵期は初夏から夏で、砂底に沈性粘着卵を産む。幼魚はアミメハギに似ており、海藻の多い岩礁海岸などで見られる。成長するにつれ岩礁の沖合いで生活するようになる。 定置網や小型底曳網、釣り、刺網などで漁獲される。本種は口が小さく、餌を削ぎとるように食べるので当たりが伝わりにくく、釣るのが難しいが、釣りの対象としても人気が高い。 旬は本来は夏であるが、冬に備えて餌を多く摂り、肝臓が特に大きく発達することから、秋から冬にかけても第二の旬と言える。ただ、肝臓が発達すると身がやせてしまうので、好みが分かれる。肉は白身で刺身、塩焼き、唐揚げ、冬は鍋物などで美味。肝臓も食用として利用される。同じカワハギ科のウマヅラハギやウスバハギも料理法は同様である。 |
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