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サンマ科(Scomberesocidae)-サンマ
和名:サンマ 英明:Pacific saury 学名:Cololabis saira (Brevoort,1856) 撮影:S.Goto 分布:日本海を含む日本近海から、アメリカ大陸沿岸のアラスカおよびメキシコまでの北太平洋 特徴:季節によって広い範囲の回遊を行う。日本近海では、夏季はオホーツク海方面で回遊し、秋に産卵のために寒流に乗って太平洋側では東北、関東沖を通過し、近畿・九州沖までに南下する。日本海側でも同様に新潟県沖など日本列島を囲むように南下を行う。 体色は背面は青みがかった黒色で、腹面は銀白色。体形は細長い。両顎は尖り、下顎先端は生時に黄色く、上顎より突出していること。尾柄部に小離鰭があり背鰭に6~7基、臀鰭に6~9基見られ、背鰭起部は臀鰭起部より後ろにある。側線は体側下部を走る。 動物性プランクトン、甲殻類、小魚、魚の卵などを食べる。 産卵は主に春と秋に行うとされる。卵は1.7-2.2mmと大型で、同じダツ目のメダカの卵によく似ていて付属糸を有し、流れ藻などに産着させる。 寿命は1-2年程度であり、通常2年で全長約40cmに成長する。 成魚は海洋の表層近くを大群をつくって泳ぎ、捕食者から逃げるときにはトビウオのように水面から飛び出して滑翔することもある。 本種は正の走光性(光に集まる性質)が成魚になっても見られるため、それを利用して集魚灯で群れを集めて一網打尽にする漁法や、産卵期に産卵基質となるアカモクなどの海藻を人工的に漁場に浮かべて産卵にやってきた群れを手づかみで獲る漁法など、ユニークな漁法の存在も知られている。主漁場は東北、関東沖である。 鱗が小さい上にはがれやすく、漁船から水揚げされる際にほとんどの鱗がはがれ落ちてしまうため、状況によっては水揚げの直前に自ら多くの鱗を呑み込んで内臓に溜める個体が少なくない(内臓を食べようとして多くの鱗を含む場合があるのは、サンマが捕食した小魚の鱗ではなく、サンマ自らの鱗である)。 水産重要種で日本人に馴染みの深い魚である。特に日本では秋の味覚を代表する大衆魚である。脂が乗る晩夏から秋に需要が高まり、塩焼きや刺身、寿司などで賞味されるほか、缶詰でも欠かせない種となっている。 属名のCololabisは、ギリシア語の「kolos(コロス、意:short、短い)」とラテン語「labia (ラビア、意:lip、唇)」を合成したもの。種小名のsaira は、日本語での一古称であり紀伊半島の方言名である「サイラ(佐伊羅魚)」に由来している。 和名の由来については、2つの有力な説がある。「サ(狭、意:狭い、細い〉」に起源があるとして「細長い魚」を意する古称「サマナ(狭真魚〉」が「サマ」-「サンマ」と変化したとする説と、大群をなして泳ぐ習性を持つことから「大きな群れ」を意する「サワ(沢)」と「魚」を意する「マ」からなる「サワンマ」が語源となったという説がある。 本種は古くは「サイラ(佐伊羅魚)」「サマナ(狭真魚〉」「サンマ(青串魚)」などと読み書きされており、また、明治の文豪・夏目漱石は、1906年(明治39年)発表の『吾輩は猫である』の中でサンマを「三馬(サンマ)」と記している。これらに対して「秋刀魚」という漢字表記の登場は遅く、大正時代になってから。 「秋刀魚」の由来は、秋に旬を迎えよく獲れることと、細い柳葉形で銀色に輝くその魚体が刀を連想させることにあり、「秋に獲れる刀のような形をした魚」との含意がある。今では「秋刀魚」と書いて「サンマ」と読む日本語のほか、中国語でもそのように記して「qiu-dao-yu」と読まれている。他に朝鮮語では「꽁치 (kkongchi) 」、ロシア語では「ロシア語: сайра (saira) 」、英語では「Pacific saury」と称する。 |
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