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カジカ科(Cottidae)-アナハゼ

アナハゼ
アナハゼ

和名:アナハゼ
英明:Sunrise
学名Pseudoblennius percoides Günther,1861
撮影:S.Goto(東海大学海洋科学博物館)
分布:北海道南西部以南。沖縄以外。日本固有種
特徴:ハゼの名を持つが、ハゼではなくカジカの仲間。
沿岸岩礁域や海草・海藻帯、タイドプールに生息する。泳ぐことが得意でない底生魚で、海底にじっとしていてあまり動かない。
体長21cm。吻は尖り、体色は有斑型から無斑型、黄色から褐色、青緑色っぽいものなど変異に富む。生息地によって異なる。側線に小皮弁がなく、また腋部にも鱗はなく、体表は滑らか。尾鰭は湾入しないことなどが特徴。胸びれの内側にある小さな鱗、側線鱗(体の中央部の左右両側にある1本の線の皮下にある鱗)以外の鱗はない。側線は波状になっていて側線上に小黒斑をもつ。眼上に皮弁がある。
12月頃が産卵期であり雌は沈性の卵の塊を産む。雄は肛門の直前に体長の10%以上にもなる円筒状の大きな生殖突起を持ち、それで雌と交尾をする、体内配偶子会合型という特異な産卵行動をすることが知られている。これは胎生になり損ねたと種と思われる。
そして、雌も産卵する為の伸縮自在の輸卵管を体内に格納している。その輸卵管を用いてカイメン類の中などに卵を産み付けることが知られている。産卵管をホヤの出水孔に挿入し、直径2mmくらいの卵をバラバラに産みつける。産み落とされた卵は、すぐにくっついてボール状になり、出水孔から出なくなる。カジカ類はホヤやカイメンに卵を託すが、その利点はまず卵が捕食者に食べられないということと、胚への酸素供給が優れているということである。また、カイメンは体液に防菌効果があるため、たとえ死んだ卵でもバクテリアが繁殖しない。ただし、大量に卵を託されたホヤなどは、卵を吐き出したり、呼吸困難で死ぬこともあるらしい。
肉食性で、主に甲殻類や小型魚類などを食べる。共食いをすることもある。待ち伏せ捕食をし、大きな餌を飲み込んだ時、柔らかな腹をいっぱいに膨らますことができる。
市場に出回るような魚ではないが、遊漁でよく採れるため、釣り人の中には食す人もいる。
雄は縄張りを持っていて、侵入者があると口を開けて威嚇する。雌は縄張りを持たず、複数の雄の縄張りを行き来する。雄は雌よりも小さく、雄は縄張りに入ってきた雌が動かない食事中などに、腹部を雌に向け交接器を伸ばして交尾する。
側線に黒い班点、胸びれの内側に鱗がないものはキリンアナハゼと呼ばれ、本種とは別の種ではないかといわれている。


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