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ホウボウ科(Triglidae)-カナガシラ

カナガシラ
カナガシラ

和名:カナガシラ
英明:-
学名Lepidotrigla microptera Günther,1873
撮影:S.Goto(新江ノ島水族館)
分布:北海道南部以南から黄海、東シナ海、南シナ海まで
特徴:水深40-340mの砂泥底に生息する。
全長30cmを超え、カナガシラ属では大型種。ホウボウより小さい。体色は橙色~赤褐色で腹面は白色。鼻先が前方にとがっていて、小さなとげが左右に数本ずつかたまって生え、その下に大きな口が開く。胸鰭内面の色は一様に赤色で模様などはないが、変異もある。胸びれの内側は大体がオレンジ色をしているが、まれに基部近くに濃紺の小さな斑点と白色の点を持つ個体がある。
頭部は硬い骨板におおわれており、「カナガシラ」の和名もここに由来する。この硬い頭部を義憤に駆られて癇癪を起こした大塩平八郎が、バリバリと噛み砕いて骨ごと食べて呆れられたことが当時の記録に残されている。胴体はザラザラした細かい鱗におおわれる(ホウボウのウロコよりは大きい)。
胸びれはホウボウよりも小さく、色も赤一色である。胸びれの一番下の軟条3対はホウボウと同じように遊離して太く発達し、これを脚のように動かして海底を歩く。
他のひれの構造もホウボウに似ているが、第1背びれに鮮紅色の大きな斑点があるのが特徴で、これは他のカナガシラ属(Lepidotrigla 属)の魚にも共通する特徴である。この斑点は液浸標本にすると黒くなる。
食性は肉食性で、エビ、カニ、小魚などを大きな口で捕食する。
旬は冬で、底曳網で漁獲される。体の大きさのわりに身は少ないが、旨みと歯ごたえがある美味な白身魚で、料理法も煮付け、唐揚げ、塩焼き、鍋料理、干物など多種多様である。小さなものは蒲鉾など魚肉練り製品の原料にも用いられる。
この魚を縁起物にしている地域もある。たとえば長崎県ではカナガシラという名が「お金が貯まる」に通じるとされ、節分にこの魚を食べる風習がある。
雄・雌ともに18cm前後で成熟し、3~6月に産卵期を迎え、分離浮性卵を産む。
ホウボウと特に区別せず扱う地域もある。カナドという別名もあるが、これは標準和名の同属種もいるので注意が必要。


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