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アイナメ科(Hexagrammidae)-ホッケ

ホッケ
ホッケ

和名:ホッケ
英明:Okhostk atka mackerel
学名Pleurogrammus azonus Jordan & Metz,1913
撮影:S.Goto
分布:茨城県、対馬海峡以北、黄海、沿海州、ロシア沿海地方、オホーツク海、南樺太、千島列島周辺
特徴:ホッケ亜科(Pleurogramminae)はホッケ属(Pleurogrammus)1属のみ。ホッケ属には、ホッケ(P.azonus)とキタノホッケ(P.monopterygius)の2種で構成される。
水深100m前後の大陸棚に生息する。全長60cm。体にはっきりしない黒色横帯がある。幼魚は海の浅いところに住み、体色は青緑色をしているが、成長につれて海底付近に住むようになり、体色は褐色を帯びる。このため、ほかの硬骨魚類に見られる浮き袋を欠くのが特徴。尾鰭の端は二叉する。側線は5本あり、第3側線は胸鰭後端付近から尾柄部を越え、第4側線は胸鰭基底付近から臀鰭起部を越える。背鰭に深い欠刻はない。体色は緑がかった茶色や褐色で、体側に明瞭に太く腹部まで走る横帯は見られない。アイナメに近縁であるが、第一背びれと第二背びれの境がなく、尾びれは深く二叉(にさ)することで区別できる。
多毛類、甲殻類、軟体動物、小型魚類などを食べる。普段は海底に沈降するプランクトンを捕食するが、北海道の日本海沿岸周辺(奥尻島など)においては初夏から春の間にかけて、海面近くで群れになって上向きで泳ぐことにより(「ホッケ柱」)渦巻きを発生させ、海面のプランクトンを引き込んで捕食する光景が観察されている。
本種は成長に従って、アオボッケ、ロウソクボッケ、マボッケ、ネボッケと呼び名が変わる。幼魚はコバルト色でアオホッケとよばれ、海面に群れをなしているが、しだいに体色は灰色に変わり、満1年で海底生活に入る。このころのものはロウソクボッケとよばれ、底引網で多量に漁獲され、養殖ウナギの餌(えさ)として利用される。ハルボッケとよばれるものは2年魚で25cm前後になり、4、5月ごろに餌のプランクトンを求めて濃密な群れをなし、表層に浮上する。これを巻網で漁獲するのでマキボッケともいう。成魚は大きさによって中ボッケ、大ボッケなどとよんで区別する。そのうち、海底の岩礁にすむようになったものをネボッケ、タラの漁場に滞留したものをタラバホッケと呼ぶ。寿命は6、7年。
昔は「ネズミサカナ」、「囚人魚」などと呼ばれるほど不味い魚とされ、また鮮度も落ちやすいため、ほとんど食用とされなかった。しかし、北海道近海でニシンが獲れなくなると、代替品としてホッケの需要が急増。第二次世界大戦後は食糧難に伴い、重宝された。その後、物流が発達し、居酒屋の定番料理ともなる。適度な脂の乗りと淡泊な味、独特の食感がある。また開きにすると骨の取りやすさから食べやすい。従前、国語辞典などで記述されていた「不味い」という形容は見られなくなった。脂肪分が多くて味が変わりやすい。
市場にもよく出回っているが、安価なものはキタノホッケが代用されている場合もある。
成魚の生息水深は、春秋では浅く、夏冬では深い。産卵期は9~2月で、北方ほど早い。この季節には水深20メートル以浅の岩礁域に群泳してきて、岩の裂け目や石のすきまに卵を産み付ける。体色は雄が青っぽく、雌は茶色っぽい。卵は桃色、青色、緑色など変化に富む。雄は卵を保護する。
本種この漢字の由来には、幼魚が青緑色で、群れで泳ぐと花のようなので、北の花→ほくか→ほっけとなった説がある。また「ホッケ」という言葉の語源は、法華宗の法華経に関わりがあるともいわれる。「北方」または「北魚」と書いてホッケと読むこともある。
他のカサゴ目よりも優れた遊泳能力を備えていることも知られていて、カサゴ目には珍しく広く回遊することが知られる。その際、小規模な群れを形成することも多い。


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