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カスザメ科(Squatinidae)-カスザメ

カスザメ
カスザメ

和名:カスザメ
英明:Japanese angelshark
学名Squatina japonica Bleeker,1857
撮影:S.Goto(大洗水族館)
分布:日本の東北地方~九州、朝鮮半島沿岸、黄海、東シナ海、台湾北部などの北西太平洋
特徴:底生性で、沿岸域から大陸棚までの海底に生息する。底曳網、底刺網などにより水深約100~300mの海底付近で漁獲され、水深100m以浅の岩礁近くの砂底でも見られるが、詳細な生息環境は不明。
体長2.0~2.5m。体は上下に著しく扁平である。大きな胸鰭は横に張り出し、背鰭は2基あり小さく後方ある。尾鰭は下側(下葉)が水平に長く伸び、上側(上葉)はまるで3基目の背鰭のようにも見える。臀鰭(しりびれ)は無い。口は他のサメと異なり体の下ではなく前端にあり、周りに皮弁を備える。これは砂に潜ったまま、頭上を通る獲物を捕らえるのに適している。この口のように大きく開くことができ、射程距離内に入った獲物を海水ごと吸引して丸呑みにする。歯は鋭く尖り、くわえた獲物を逃さないようになっている。
平たい体は速く泳ぐのは苦手だが、身を隠すのに適している。多くのエイやカレイのように、カスザメは平たい体を生かして海底の砂に潜りこみ、大型の捕食者をやり過ごしたり、獲物を待ち伏せたりする。背面にはさび色ないしは黒褐色の暗色斑および白色斑が密集するため、海底に居ても目立たないようになっている。
二つで一組の暗色赤褐色斑が頭の付け根から腹鰭の位置まで並ぶ。円筒形の鼻孔から伸びる髭は先端がわずかに広がり、やや房状になったり、平滑であったりする。眼隔域はくぼむ。吻上、両眼や両噴水孔の間、背中線に沿って小さな棘が分布する。噴水孔間は眼隔幅より長くなること、胸鰭は比較的幅広く、後端が角張ることから日本近海に分布する同属のコロザメと区別できる(後者では噴水孔間は眼隔幅より短く、胸鰭が全体的に角張らず、後端が丸くなる)。
体が平らなので一見エイの仲間に見えるが、胸鰭が頭部に癒合せず、頭部や体と明確に区別できること、および鰓と口がそれぞれ側面と正面に開孔していることからサメの仲間であることがわかる。
昼間は待ち伏せで獲物を狙うが、本来は夜行性なので夜になると餌を求めて活発に動き回る。魚や甲殻類、軟体類を捕食する。ワサビおろしに使われる。


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