ハタハタ科(Trichodontidae)−ハタハタ

ハタハタ
ハタハタ

和名:ハタハタ
英明:sailfin sandfish
学名Arctoscopus japonicus
撮影:S.Goto
分布:日本海沿岸・北日本。カムチャツカ、アラスカ、オホーツク海、アリューシャン列島など。
特徴:体長20cm程になり、水深0〜約550mまでの泥や砂の海底に生息する深海魚である。
体は体高が高く、左右に扁平で鱗がない。大きな口には小さな歯が並び、斜め上向きに付く。鰓蓋に5本の鋭い突起がある。背ビレは前部と後部が完全に分かれ、かなり離れている。尾ビレ、胸ビレが大きく、特に胸ビレは非常に大きい。浮き袋は持たず、昼間は泥や砂に埋まって目や背ビレだけを出して隠れ、夜に行動する。
浅場の藻場(水深2〜10m)で11月〜1月に産卵する。
秋田県の県魚に指定されている。秋田県では雷の鳴る11月ごろに獲れるのでカミナリウオの別名で呼ばれる。一般にハタハタは漢字では「鰰」(魚偏に神)と書くが、上記の理由から「鱩」(魚偏に雷)と書く場合もある。また、冬の日本海の荒波の中で獲りにいくことが多いから「波多波多」と書くこともある。
北日本日本海側では1年中底引き網などで獲れる。1970年代までは秋田県において大量に水揚げされ、きわめて安く流通していた。1980年代に急激に漁獲量が減り、1992年9月から1995年8月まで全面禁漁を行った。また、卵からの孵化、放流事業が行われ、ここ数年は産卵のため浜に大量に押し寄せて来る姿が見られ、当時の賑わいを取り戻している。北朝鮮、韓国からの輸入も増えているが地域に密着した食材であることから高価であるにもかかわらず国内産の人気は高い。


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