カレイ科(Pleuronectidae)−プレイス
和名:プレイス 英明:European plaice 学名:Pleuronectes platessa(Pleuronectes platessus) Linnaeus, 1758 撮影:上/下:S.Goto(葛西臨海水族園) 分布:バレンツ海から地中海の沿岸や、北東太平洋、グリーンランドにまで分布。 特徴:体長は最大で約1m、体重は7kgの記録がある。寿命は50年生きた記録がある。 水深10-50mの大陸棚の砂質および泥質の海底に多く生息する。日中は堆積物に潜り込むようにして、動かずにじっとしている。最大で水深約200mの場所でも見つかった記録もある。幼魚は非常に浅い沿海まで来る。 塩分濃度が低い環境でも生きることができ、汽水域や淡水域で見つかることもある。 成魚の外形は楕円形で、頭はかなり小さく、全長の25%以下である。体色は濃灰色から濃茶色で、橙色の不規則で目立つ斑点がある。口は小さく、尖っており上顎骨は右目の下まで達する。両目は体の右側に偏っている。両目の下の骨稜は本種の特徴。側線は胸鰭のところで緩くカーブしている。背鰭は目の位置まで達している。背鰭と尻鰭は、尾鰭から離れている。尻鰭には48本から59本の鰭条と棘がある。背鰭には65本から79本、胸鰭には10本から11本、腹びれには6本の鰭条がある。下側は白い真珠色である。表皮は滑らかで鱗は小さい。周囲と合うように体の色を変えることができるが、橙色の斑点は変わらない。表皮にとげはない。 夜間に活動し、多毛類、甲殻類、二枚貝等を捕食する。 北海における主要な産卵場所は、Southern Bightやイギリス海峡の東部である。プレイスの産卵数は、実際に産卵を開始するより前に決まる。メスが成熟し、産卵可能になるのは3歳から7歳だが、北海ではほとんどのメスは3歳で成熟する。卵巣は8月末から9月には発達し始め、12月から5月に産卵する。メスは約1ヶ月間かけて、3日から5日おきに卵を産む。 卵は約2週間後に孵化してプランクトンとして水中を漂い、水温によるが8週間から10週間後に変態すると、潮間帯の砂地に定住するようになる。幼魚は「半能動的潮汐移動」と呼ばれる動きを見せる。即ち、幼魚は流れに逆らって泳ぐことはできないため、水中で垂直方向の位置を変えることで目的の場所に移動する能力を持つ。波が打ち寄せて水位が上がる時には、幼魚は上の方に移動して陸に向かう。波が引いて水位が下がる時には、下の方に移動してなるべく動かないように調整する。幼魚が定住に適した場所に到達すると、カレイ目の非対称な体に変態する。これには10日間を要する。 |
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