リュウグウノツカイ科(Regalecidae)−リュウグウノツカイ

リュウグウノツカイ
リュウグウノツカイ
リュウグウノツカイ リュウグウノツカイ(幼魚)
リュウグウノツカイ リュウグウノツカイ(幼魚)
リュウグウノツカイ(幼魚)
リュウグウノツカイ(幼魚)

和名:リュウグウノツカイ
英明:Ribbonfish
学名Regalecus russellii (Shaw,1803)
撮影:上/左中/右中/下:S.Goto(東海大海洋科学博物館)
分布:太平洋・インド洋・大西洋など、世界中の海の外洋に幅広く分布
特徴:沖合の海底から離れた中層を漂い、群れを作らずに単独で生息する。稚魚は成長に従って水深200-1000mほどの、深海の中層へ移動するとみられる。稀に沿岸域に漂着する。
全長は5mを超えることもある大型種であり、記録では最大では11m、体重272kgに達した個体が報告されており、硬骨魚類の中では世界最長。
全身が銀白色で、薄灰〜薄青色の線条が側線の上下に互い違いに並ぶ。背鰭・胸鰭・腹鰭の鰭条は鮮やかな紅色を呈し、体は左右から押しつぶされたように平たく側扁し、タチウオのように薄く細長い。体高が最も高いのは頭部で、尾端に向かって先細りとなる。下顎がやや前方に突出し、口は斜め上に向かって開く。鱗・歯・鰾をもたない。
鰓耙は40-58本と多く、近縁の Agrostichthys属(8-10本)との鑑別点となっている。椎骨は143-170個。
背鰭の基底は長く吻の後端から始まり、尾端まで連続する。すべて軟条であり鰭条数は260-412本と多く、先頭の6-10軟条は鬣のように細長く伸びる。腹鰭の鰭条は左右1本ずつしかなく、糸のように著しく長く発達する。
腹鰭の先端はオール状に膨らむ。この膨らんだ部分には多数の化学受容器が存在することがわかっており、餌生物の存在を探知する機能をもつと考えられている。尾鰭は非常に小さく、臀鰭はもたない。
通常は全身をほとんど直立させた状態で静止しており、移動するときには体を斜めに傾け、長い背鰭を波打たせるようにして泳ぐと考えられている。
食性は胃内容物の調査により、オキアミなどの甲殻類を主に捕食していると考えられている。卵は浮性卵で、海中を浮遊しながら発生し、孵化後の仔魚は外洋の海面近くでプランクトンを捕食して成長する。
生態についてはほとんどわかっていない。


ホーム もどる